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『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』その何気ない行動が、ゾウの生死を分ける - HONZ
アフリカでゾウの密猟が急増していると聞かされても、多くの人にとって自分事として捉えることが難しい... アフリカでゾウの密猟が急増していると聞かされても、多くの人にとって自分事として捉えることが難しいだろう。しかしゾウが殺されているのは、決して食糧としての肉を目的としたものなどではない。付属物にすぎないはずの象牙が1kgあたり2000ドルで闇取引され、遠く中国や日本にやってくるのだ。 サバンナのダイヤモンドとも言われる象牙。本書は、元アフリカ特派員の著者がアフリカ南部における象牙マーケットの全貌を描き出し、取引された象牙の行く末と私達の生活を結びつけた衝撃のノンフィクションである。 事態は深刻だ。アフリカでは、1940年代に約500万頭いたとされているアフリカゾウが、2010年代にはすでに約1割の50万頭にまで激減しており、このままのペースで密猟が続けば、野生のゾウはわずか10数年で絶滅してしまうかもしれないと言われている。 また、虐殺時の模様も凄惨極まりない。密猟者たちは銃弾を撃ち込んで動
2019/05/08 リンク