呼び出された殺戮者 - 105.Crawling

細い、軽く下草を刈っただけの道を進むと、すぐに結界の場所に辿りついた。 「これが結界か」 道の上、少し背を丸めれば通れる程度に穴があいている。 一二三は結界に指先を触れさせたが、少しだけ痺れるような感覚がある以外は、ひんやりとしたプラスチックのような感触だった。 「殴ったら割れそうだが……まあ、それは後でいいか」 するりと穴を潜る。 一二三は腰の刀の位置を正すと、するすると急ぐわけでもなくゆっくりでもなく、歩みを進める。 森は結界を越えても続いているが、エルフの住む森に比べると、空気は澄んでいるように一二三には感じられた。当然だが、木々のどこにもエルフの死体はない。 「まっすぐ、行ってみるか」 道は遠く森の外へと続いている。 結界を越える前にザンガーやプーセに尋ねてみたが、魔人族がどのように生活しているのか、結界の向こうのどのあたりに住んでいるのかまでは、二人とも知らなかった。 一二三は“