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円安とは
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区の「保存樹木」に指定されていた、20メートルものケヤキの木。近隣住民に癒やしをもたらしてきたその大木が、ある日突然、伐採されることになった。所有者が保存樹木の指定を解除し、マンション開発されることになったのだ。 たかが1本の木、にすぎないかもしれない。指定を解除した所有者にも、マンション事業者にも法的な落ち度はない。それでも、この1本の木の話は今の日本における街づくりの課題を映し出している。考えてみたい。 ある日突然伐採が始まった 「私も、まさか切られることはないだろう、と思っていたんです。それが、ある日いきなり目の前で枝の伐採が始まっていて……」 東京・世田谷区に住む飯田りえさんは、そのときの「衝撃」を振り返る。 閑静な住宅街の一角にある敷地には、かつて大きな邸宅があり、その敷地内に、20メートルをゆうに超えるケヤキの巨木は立っていた。飯田さんの自宅からはそのケヤキの木がよく見え、都会
失恋や疎外感に苦しむ人が、彼女の歌を聴き、自分の気持ちを代弁してくれるような、カタルシスを覚えた。その露骨な、敗者・弱者目線の歌から罪悪感と優越感を抱いたり、怖いもの聴きたさの好奇心をそそられた人もいただろう。 彼女の歌には、負の感情と向き合う陶酔感すべてが詰まっていた。 ただ、1979年4月から「中島みゆきのオールナイトニッポン」がスタートし、楽曲のイメージとはまったく違う、明るくハイテンションな彼女のキャラクターが、徐々に認知されていくのである。 曲は暗くて怖いのに、おしゃべりは面白い。そのギャップがまた、彼女の人気を定着させた。 1980年に入ってもシングルは売れ続け、『悪女』(1981年)、『誘惑』『横恋慕』(ともに1982年)、『あの娘』(1983年)など、コンスタントにヒットしている。 意外とアイドルと相性がいい 中島みゆきの失恋ソングは、意外とアイドルとも相性がよく、多くの若
気がつけば、日本には、ずっと彼女の歌がそばにある――。 1970年代、80年代、90年代、2000年代、すべての時代でオリコンのシングルチャート1位を獲得しているソロアーティスト、中島みゆきだ。 1975年のデビューから愛され続けている彼女。デビュー50周年を目前にして、さらに注目度が高まっているのだ。 4月6日から18年ぶりに復活したドキュメンタリー番組「新プロジェクトX」では、前回同様に主題歌を担当。『新・地上の星』が流れ、視聴者の心を再び奮い立たせている。 そして角川武蔵野ミュージアムでは、4月20日から「中島みゆき展 『時代』2024 めぐるめぐるよ時代は巡る」(6月23日まで)が開催中だ。 時代に“愛される”というより、もはや“求められる”中島みゆき。価値観がまったく違う団塊の世代と令和のZ世代が、ノスタルジーという感覚を抜きに彼女の歌を聴き、つらいときには励まされ、脚を踏ん張る
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中国の自動車産業はEV転換の初期段階にある。その転換は今後何年と続き、いずれは多くのガソリン車工場が消える見通しだ。そうした長期にわたる変化をどう切り抜けるかに、今後の中国経済の成長は左右されることになる。中国の自動車産業は極めて巨大で、労働人口にも巨大な変化をもたらしうる。 それは中国以外の世界にも多大な影響をもたらす。中国は世界最大の自動車市場で、昨年には日本とドイツを追い越して世界最大の自動車輸出国になった。中国車の国外販売は爆発的に伸びている。 生産過剰のガソリン車を大量に輸出 上海のEVコンサルタント、ビル・ルッソによると、輸出される中国車の4台に3台は中国国内で必要とされなくなったガソリン車だ。他国のメーカーは、中国ガソリン車の輸出に押しつぶされる脅威にさらされている。 その一方で、中国のEV企業は新工場に多額の投資を続けている。BYDをはじめとする中国の自動車メーカーは今後、
「今(鈴木先生の)高校に通っている生徒たちには、飢餓感がない」 開口一番、鈴木先生はそう口にしました。 「昔を振り返ると、私が勤める高校は地域の”底辺校”と揶揄されて、生徒や親自身も、将来を悲観し、焦っていました。 『このままだったら、自分(生徒)はちゃらんぽらんな人生を送ることになるかもしれない。食いっぱぐれてしまうかもしれない。そうならないように、頑張らなければならない』と。 つまり、何かしらの努力をする、気力がある生徒たちが多かったのです。そういう生徒たちに対する指導は、まだやりやすかったのですが、最近ではまったく状況が異なります。 『自分は、このままでいい』と考えてしまっていて、何かをやろうとする意欲が低下しているのです」 「今と昔で、生徒の心持ちは大きく変わってしまった」と、鈴木先生は嘆きます。 「学校の雰囲気も含めて、全然(質が)違っていますね。昔は、ヤンキーや不良と言われるよ
イーロン・マスクが、テスラで電気自動車(EV)の充電ステーション建設を手掛ける部門で人員削減を行い、アメリカ最大かつ最も信頼性の高い充電ネットワークの将来に不安をもたらしている。 他メーカーとの契約どうなる?と不安の声 テスラ社員約500人がレイオフされ、その多くが4月30日にSNSに投稿し、テスラのCEOであるマスクが昨年、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター、その他の自動車メーカーの首脳と交わした、他社製のEVがテスラのスーパーチャージャーステーションを利用できるようにする契約について疑問の声を上げた。 テスラが他のEVメーカーと結んだ協定は、購入者がドライブ中に急速充電器を見つけられることを保証するもので、多くの人々がEVの購入をためらっている主な理由の1つに対処するものだった。また、マスクにとっては、テスラの技術を証明し、自動車業界に対する圧倒的な影響力を与える「クーデ
インバウンドの盛況が止まらない。 2024年1〜3月の訪日外国人観光客は856万人と2019年1〜3月よりも6.3%多く、観光庁が発表した訪日外国人消費動向調査(1次速報)によると、2024年1〜3月期の旅行消費額(推計)は、2019年1〜3月比50%増の1兆7505億円となった。訪日中国人のセグメントについてみると、人数はそこまで回復していないのだが、消費額は一番貢献している。 コロナ禍を乗り越えてきたインバウンドの波に、乗っていきたい自治体や企業も多数あり、筆者のところに、訪日中国人や華僑に関する情報を求める方々も増え続けている。 消費額が増えているのは幻想に過ぎない しかし、ここであえて注意喚起をしたい。外国人観光客は本当に日本での消費を増やしているだろうか。今の日本は特に富裕層の中華圏の人にとって、「憧れ」から「安いところ」に陥っていないか。これからの日本は、何をもって観光産業を長
渋谷で、次の時間まで予定が空いてしまった。何をしようか、と思って、無意識的にカフェを探す。渋谷にはチェーン店をはじめ、カフェが多い。試しに近くにあるスタバを覗いてみるが、行列。他のスタバも行列。いや、スタバだけでなく、チェーンのカフェはどこもかしこも行列しているのだ。 渋谷のカフェ、混みすぎではないか? 率直に、こう思った。そして、私はこれを「渋谷のカフェ、混みすぎ問題」と名付けた。 ガラガラの「渋谷モディ」、行列のスタバ 「渋谷のカフェ、混みすぎ問題」。 これを象徴的に表す存在が、マルイグループが展開する「渋谷モディ」というファッションビル。2015年に開店したこのビルは、開店当初は活気に満ちていたが、徐々にテナントが離れ、歯抜け状態になっていく。コロナ禍も相まって、結果的に2020年頃には“ゴーストビル”という異名も取るほどになった。 現在、2020年よりはテナントの数が増えてはいるが
ついに日本の当局が、「検索王」にクギを刺した。 公正取引委員会は4月22日、アメリカのIT大手・グーグルに対し、ヤフー(現LINEヤフー)への検索関連技術の提供をめぐり、独占禁止法に基づく行政処分を下した。 グーグルは独禁法に違反する疑いのある行為をすでにとりやめており、同法の「確約手続き」に基づいて今後の改善措置をまとめた計画を提出。そのため法違反こそ免れたが、計画の認定をもって、グーグルが初めて公取委から処分を下されるケースとなった。 提携4年で変更された契約の中身 メスが入ったのは、グーグルとヤフーが2010年に結んだ技術提携の中身だ。 グーグルは2010年からヤフーに対して、検索エンジンと検索連動型広告の技術を提供してきた。その技術を基に、ヤフーは自社のポータルサイトだけでなく、外部のポータルサイトなどの広告枠も活用した配信事業を展開。例えば「空気清浄機」と検索したユーザーの画面に
「フリーフォール」「通貨危機」「経済崩壊」ーー。これらは、1ドル=160円までの急激な円安を踏まえて投げかけられた警戒すべき言葉である。GDPの1%とも言われる為替介入が円安を食い止める以上の効果を上げられなかったことで、警戒感はさらに強まった。この原稿を書いている時点で円相場は1ドル=157.8円だ。 大きな危険は「金融クラッシュ」ではなく… 普段は冷静なエコノミストの1人で、日本に住んでいたこともあるノア・スミスは、ブログの読者にこう語った。 「日本の通貨はまだ暴落していない。日本の経済破綻は、日本国民を困窮させるだけでなく、世界経済の柱のひとつを揺るがすことになる...」。 2003年当時、日本が日本国債の大暴落の危機に瀕しているという話があったことを思い出す。もちろん、そのようなことは起こらなかったし、円にそのようなことが起こっている証拠もほとんどない。 より大きな危険は、突然の金
近畿日本鉄道は日本一の路線長を持つ私鉄として知られる。なかでも大阪と名古屋・伊勢志摩方面を結ぶ特急が走る大阪線は長さ108.9kmに及ぶ大動脈。その路線の起点となるのが大阪上本町駅だ。 2024年で開業110年 大阪上本町駅は2024年4月30日に開業110周年を迎えた。百貨店のビルと一体となった駅で、頭端式の地上ホームはいかにも私鉄のターミナルの雰囲気が漂う。 所在地は「大阪市天王寺区上本町六丁目」。略して「上六(うえろく)」という呼び名も周辺のビルや店舗の名称に見ることができる。平坦な地形が多い大阪中心部では珍しい坂道のあるエリアにある。高校が多く学習塾が目立つのも上本町の特徴だ。 上本町駅は1914年、近鉄の前身の大阪電気軌道(大軌)が奈良と最短距離で結ぶ生駒トンネルの難工事の末、現在の奈良線を開業させたときに誕生した。近鉄創業の地ともいえる重要拠点だ。
学校の帰り道、ゲーセンに寄って、友達とだらだらした経験のある人はいるだろうか? 筆者も中高時代、そんな経験をした一人だ。音ゲーが好きな友人がいて、「maimai」というゲームをずっとやっているのを、横で見ていた。特に私はお金を使うわけではなく、そこで友人とだべりながら、だらっとしていた。たまにやるのはアーケードのシューティングゲームで、「ハウス・オブ・ザ・デッド」をよくやっていた気がする。 ただ、お金がたくさんあるわけではなかったから、2プレイぐらいして、それで帰る。思えば、1000円かからないぐらいで、だらっといられる、「せんべろ」ならぬ「せんだら」的な使い方をしていたなあ、と思う。 でも、そんな、ゲーセンは、もう戻ってこないのかもしれない。実は、ゲーセンの倒産が相次ぎ、業界全体が苦境に立たされているのだ。 なぜ、ゲーセンは苦しいのか? 筆者は、それを、まさに今ここで書いたような「だらだ
東武伊勢崎線の本領は、「北関東」にあるといっていい。 もちろん、浅草―伊勢崎間の伊勢崎線のうち、「東武スカイツリーライン」という呼び名がすっかり膾炙している東武動物公園駅以南では、東京都心方面への通勤通学路線としての性質が濃い。 ただ、こと「伊勢崎線」に関して言うならば、それは北関東を駆け抜ける大動脈の1つであることに間違いはないだろう。 利根川を渡り群馬に入る などと、ずいぶんと大仰な入り方をしてしまったが、ならば伊勢崎線はどこから北関東に入るのか。答えは、羽生―川俣間。ここで伊勢崎線は利根川を渡って、群馬県に入る。埼玉県と群馬県の県境は、おおざっぱにいえばおおよそ利根川なのだ。 「埼玉県から群馬県に入って何が違うというわけでもないのですが、やはりちょっとばかり車窓の雰囲気が変わるような気がします」 こう話してくれたのは、東武動物公園駅管区羽生駅長の相良紀章さん。相良駅長は、埼玉県内の花
「(報道された不祥事は)記憶にございます」 これほどまでキッパリと不祥事を認めた政治家が、これまでいたでしょうか。 家庭を持ちながら20代女性と同棲するなど、不適切な女性関係が報道された自民党の宮澤博行衆議院議員。4月25日、不始末の責任をとって議員を辞職しました。24日には疑惑を追及する取材に対し、冒頭のように回答したとのことです。 「パパ活不倫」などと呼ばれた自らの愚かさを、言い訳するどころかすべて認めてすっぱり議員辞職に突き進んだ姿勢は驚きでした。普通ならば全面的に認めるのはためらってしまうような自らの下半身問題を潔く認めた今回の「全面謝罪」について検証してみましょう。 単なるダメ政治家の愚行という批判だけでは済まない、人間の性(さが)や同じ中年男性として身につまされる思いが浮んでしまったことをあらかじめお詫び申し上げます。 すべての欲望を認め、議員辞職にまっしぐら 不祥事を起こして
スタートアップ企業は新たな事業を生み出し、産業競争力を向上させる重要な存在だ。しかし、新規事業を展開するためには多額の資金が必要となる。 こうしたスタートアップ企業の成長を支えようとしているのは、国やベンチャーキャピタル(VC)だけでなく、地方自治体もある。たとえば都道府県は自らの地域の未来を支えていく優良企業を育成するために、事業名や用途はさまざまだが、支援制度を充実させている。 東洋経済オンラインでは、2024年度の一般会計当初予算に含まれるスタートアップ支援関連の事業予算を、都道府県のホームページで公表されている資料から独自に取得し、その金額合計でランキングを作成した。 ランキングはあくまでも独自集計。各自治体の公開基準が統一されていないため、すべての情報を取得できていない場合があるほか、スタートアップの支援金額として総額に組み入れてよいものか、線引きが難しいものもあった。 人口が多
大学生の頃に資金50万円で資産運用を始め、27年で億り人となった兼業投資家の「名古屋の長期投資家」氏。資産1億円までの道のりや、投資ビギナーが心がけるべきことを聞いた。 ──資産運用を始めた理由は。 任天堂株で儲けて資産が数億円になり、会社を辞めた人が身近にいた。今で言う「FIRE(経済的自立・早期退職)」だ。当時は中学生だった私も、働かなくて済むほどのお金が早く欲しくなった。 そして20歳になったばかりの1995年末に証券口座を開き、アルバイトで貯めた50万円で株式投資を始めた。最初に買ったのは、証券会社のポスターに載っていた富士通や東芝などだ。 リーマンショックで資産半減 ──その後どうやって1億円に? 5年くらいはいいかげんに銘柄を選んでいた。『会社四季報』を買っていたが読み方がわからない、という程度の知識だった。 だが、2001年9月のアメリカ同時多発テロの前後に相場が悪化。資産が
2024年3月23日、JR西日本は、特急やくも号に4月6日から導入された新型273系電車について、ユーチューバーなどSNSで強い影響力を持つインフルエンサーを対象とした試乗会を行った。設定されたコースは、山陰地区の出雲市―米子間、米子―生山間の上下4コース。これらのコースに対して、1組最大4名までの各10組のインフルエンサーが募集された。 募集の対象となったインフルエンサーは、チャンネル登録者2万人以上を持つユーチューバーと、ツイッター(現X、以下ツイッター)やインスタグラムなどのSNSで1万人以上の登録者を持つインフルエンサー。筆者もこの試乗会に同乗した。 黙々と動画撮影に勤しむ鉄道系ユーチューバーたち 3月23日の午前8時20分、出雲市駅の改札口前に設けられた特設ブースで、試乗会の受付が始まった。出雲市駅を9時16分に発車するAコースに参加したインフルエンサーは10組15人で、1編成4
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