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外国人同士が結婚すればどちらかが「家族滞在」になるし、子どもが生まれればその子の在留資格を取得するのも行政書士の仕事だ。日本に長年暮らしているうちに愛着を感じ、ずっと暮らしたいと思った人には永住権の手続きをサポートする。離婚のときはやっぱり在留資格の変更が必要だ。 行政書士はまさに外国人の生活を支える存在なのだが、複雑な案件が舞い込むことも多い。 「インド人のお父さんがシンガポールに転勤になったんです。すると、お父さんありきの在留資格である『家族滞在』の子どもたちは日本にいられなくなってしまいます。でも一家は日本に生活の土台があるし、子どもたちは日本の大学受験が迫っていて。 そこで『特定活動』(ほかの在留資格に該当しない目的で滞在する外国人の受け皿的なもの。ワーキングホリデーとかインターンシップ、国際交流などなど幅広い)にいったん移行して、受験に合格して大学に入ったら『留学』に切り替えたん
醤油、みりん、酒、味噌、酢など、日本で発酵食品が多く使われているように、世界各国にも発酵食品は多くあります。例えば、フランス料理にはワインが欠かせませんし、ドレッシングにはバルサミコ酢が入っています。また、付け合わせのパン自体も発酵食品です。中華では豆板醤、甜麺醤、XO醤などの調味料の他、紹興酒や白酒などのお酒、ザーサイ、また、エスニック料理ではニョクマムやナンプラーなどが発酵食品です。 日本の発酵と西洋の発酵 味噌、醤油、清酒など、多くの日本の発酵食品は、麹菌、酵母、乳酸菌の3種類の微生物の相互作用によって行われます(この仕組みを専門用語で並行複発酵といいます)。そして、醸造家は、複数の微生物が働きやすい環境を整えていくところに特色があります。 それに対して、ワイン、ビール、パン、ヨーグルト、バター、チーズなど、多くの西洋の発酵は、酵母、あるいは乳酸菌などの単一の微生物による発酵です(こ
5年前の反省はなぜ生かされなかったのか――。 「国内外のお客様からの信頼を裏切る行為であり、ものづくりを担う企業として根幹が問われる、由々しき事態であると重く受け止めております」 4月24日、重工大手IHIの盛田英夫副社長は苦渋の表情を浮かべながらそう陳謝した。100%子会社のIHI原動機が生産する船舶・陸上向けエンジンの燃料消費率のデータが長年にわたり改ざんされていたことが判明したためだ。 確認可能な2003年以降のデータによると、とくに数値の修正が多かった船舶用エンジンでは出荷台数4881台のうち、9割近くに相当する4215台の試運転記録の数値が書き換えられていた。同エンジンは公官庁船や漁船、曳船(タグボート)、内航船などに使われている。 「1980年代後半から」といった証言も 数値の改ざんが行われた現場は、IHI原動機の新潟内燃機工場(新潟市)と太田工場(群馬県太田市)の2カ所。会社
JR九州の観光列車にまた1つ新顔が登場した。4月26日に博多―別府間を結ぶ「かんぱち・いちろく」が運行開始したのだ。 博多と由布院・別府エリアを結ぶ観光列車は複数ある。久大本線ルートではスタイリッシュな緑色をまとった特急「ゆふいんの森」が毎日3往復程度運行する。また、その豪華絢爛ぶりで「ななつ星 in 九州」に匹敵する「或る列車」が土日を中心に1日1往復する。日豊本線ルートでは1週間かけて九州全域を走る豪華列車「36ぷらす3」が毎週日曜日に大分から別府、小倉を経て博多まで運行する。「ゆふいんの森」はスピード重視で所要時間は2時間程度と短い。逆に「或る列車」や「36ぷらす3」は時間をかけて運行し、車内で地元産の食材を使った料理を味わったり、沿線の各駅で途中下車して地元の人たちと交流したりすることに主眼を置く。 人気ルートに新観光列車 「博多から由布院・別府エリアに向かう観光列車はインバウンド
1954年和歌山県生まれ。77年大阪大学工学部で酒造りの基礎を学び卒業。社会人を経て再び大学受験をし、和歌山県立医科大学医学部に入学。86年卒業後、同大学循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。東京労災病院等を経て、98年に東京都品川区の商店街・戸越銀座に秋津医院を開業し、地元密着の診療を行う
高校野球の場合、個別の学校に取材する場合でも「当該都道府県の高校野球連盟に取材申請を」という地方があるのだ。 その申請が「ファクシミリ」であるケースが、いまだに少なくない。ほとんどの地方高野連の連絡先は、連盟会長が勤務している学校であることが多い。そして電話兼用のファクシミリが、唯一の通信手段になるのだ。 あまりに「昭和」すぎる実態 「うちは申請書類はA4サイズに統一するように言ってるんだ」。ある地方の高野連の事務局長は、分厚いファイルを見せて、ちょっと自慢そうに言った。私は心の中で「昭和か」と思ったのだが。 別の地方の高野連は、最近、公式サイトから申請書をダウンロードして記入し、PDFで送信することになった。 これは素晴らしい進化だ、と思ったのだが、公式サイトのアドレスにアクセスすると「レンタルサーバーの使用期限が切れている」。スマホのほうからはアクセスできるが、PCのほうはそういう状態
「ここでプリンを食べたら最高に幸せだろうな」という気持ちと、「今はダイエット中だから、ガマンしなくては」という気持ち。2つの感情が天使と悪魔のように心の中で葛藤しています。 あなたなら、どちらを選びますか? 「今はプリンを食べて、その分、あとでほかの食事で調整すればいい」 「食べたいものを食べて、その分、運動すればいい」 そう考える人もいるかもしれませんが、それが簡単にできないから悩みます。 だって、ダイエットをしないといけない理由が「食べることをガマンできない。運動もそこまでできない」からかもしれません。 ここでテーマにしたいのはダイエットではなく、「時間の選択」についてです。 プリンを食べるかガマンするか ●プリンを食べることを選択 →今の時間を幸せに過ごしたい! 幸福の時間を選択 ●プリンをガマンすることを選択 →目標(ダイエット)を達成したい! 投資の時間を選択 今の幸せを選択す
2005年一橋大経卒、06年同修士課程修了。13年同博士課程単位取得退学。株式会社浜銀総合研究所を経て現職。 欧州を中心にロシア、トルコ、新興国のマクロ経済、経済政策、政治情勢などについて調査・研究を行う。主要経済誌への寄稿、学会誌への査読付き論文多数。著書は『ドル化とは何か‐日本で米ドルが使われる日』(ちくま新書)『図説ヨーロッパの証券市場(2020年版)』(分担執筆、日本証券経済研究所)『脱炭素・脱ロシア時代のEV戦略 EU・中欧・ロシアの現場から』(分担執筆、文眞堂)。 関東学院大学経済学部非常勤講師。
反対に、ご飯は冷めていく過程で水分が飛び、でんぷんが「老化/β(ベータ)化」すると、味が落ちていきます。 でんぷんの老化が最も起こりやすいのが0〜5℃で、冷蔵庫内はまさにこの温度。ご飯を冷蔵保存するとおいしくないのは、こういう理由なのです。 では、炊飯器での保温なら大丈夫かというと、やはり保温し続けることで水分が飛んでご飯が硬くなり、風味も飛んでしまいます。さらに、炊飯器のフタの開閉で水分が湯気となって蒸発するため、何度もフタを開け閉めしていると、どんどんおいしさが失われていきます。 この点、冷凍保存はご飯の水分を保持したまま凍らせるので、パサつかず、かつ味が落ちにくいのが特長です。 冷凍ご飯がおいしい科学的理由 ここで、冷凍ご飯のおいしさの秘密を調べた実験データ(旭化成ホームプロダクツ調べ)をご紹介しましょう。 ご飯のおいしさの指標は「α化度」で見ており、炊きたてが100%。24時間冷凍
ラピダスに最大9200億円の支援 経済産業省は、国内の半導体事業への補助を増やしてきた。台湾の半導体受託製造会社TSMCの熊本第1・第2工場招致のため、1兆2000億円を支出した。 2024年4月2日、経産省は、最先端半導体の製造を目指すラピダスに、2024年度で最大5900億円を支援すると発表した。ラピダスへの支援額の累計は最大9200億円となり、対TSMCに次ぐ規模となる。 現在、国内で製造できる半導体は40nm台にとどまっているが、ラピダスは、2020年代後半に2nmの次世代半導体の量産を計画している。 半導体の製造には、チップの回路を作る「前工程」と、チップを基板に実装し、パッケージ化して製品にする「後工程」がある。これまでは回路を微細にすることで性能を高めてきたが、微細化の限界が近づいていると言われる。そこで、微細化に代わる手法として、後工程の研究開発が注目されている。 ラピダス
中学の部活の地域移行に合わせて、大学を開く スポーツ庁と文化庁は、2023年度から2025年度までを部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行の「改革推進期間」と位置付けている。背景にあるのは教員の働き方改革だ。教員の残業時間について「月45時間、年360時間以内」と定めるガイドラインの上限を超えるケースは今も多く、改善が急がれている。 そんな「部活動の地域移行」が、設立背景の1つとなっている吹奏楽団がある。開智国際大学が地域に開く形で結成した、学生と社会人から構成される、開智アカデミックウインドオーケストラ(以下、開智アカデミック)だ。 同楽団を率いるのは、開智国際大学教授で千葉県吹奏楽連盟副理事長の石田修一氏。石田氏は、2015年に開智国際大学で吹奏楽部を創設したのち、2023年4月に開智アカデミックへ拡張、地域に開かれたバンドにした。現在の所属メンバーは大学生と社会人。学業や仕事と両立
「すべての企業」――。つまり、どの業界にも適用可能なほど、新たなテクノロジーがビジネスランドスケープを変容させていくことを示唆していたからだ。 この発言は、企業が生産性を向上させる、新しいビジネスモデルを開発する、コストを削減する、より良い顧客体験を提供するなど、企業活動の多くの点でソフトウェアとデータを活用する必要があることを、世界中の経営者に気づかせた。 これにより、伝統的な「ハードウェア」企業でさえも、ソフトウェア開発とデータアナリティクスに力を入れるようになっていった。 “非”ソフトウェア企業がたどる道 しかし今、自社を「ソフトウェア企業」と自認していない「“非”ソフトウェア企業」にとって、ソフトウェア企業への変貌の道は、まったく想像し得ないものだろう。 年商100億円を超えるような企業であればコンサルティングファームに依頼し、道筋・手順を示してもらうこともできる。 しかし、そのよ
「弱者」の救済は道徳的には正しい。市職員の行為を支持した人たちも、研修医たちも、まちがっている。だが、「弱者へのやさしさ」を当然視するリベラルは、長年、苦戦を強いられてきた。正しさが民意と同じであるとは限らない。 哲学者ニーチェは、「強者」に対するねたみ、憎悪を「ルサンチマン」と呼んだ。生活苦や仕事のきびしさに耐えている大勢の人たちが、さらなる弱者の既得権を監視し、ねたみ、批判する。まるで「ゆがんだルサンチマン」だ。 「弱者」とは決して弱い人たちではない。やむをえない理由で、弱い立場に置かれた人たちだ。それなのに、弱者が、さらなる弱者を叩く。この様子をTRAIN-TRAINの作詞家である真島昌利さんは、どんな気持ちで見ているのだろう。 悲観する私、肯定的未来を思う娘 「世界価値観調査」によると、「国民みなが安心して暮らせるよう国は責任を持つべき」という質問に8割近い回答者が賛成している。私
外国人の生活に欠かせない「行政書士」 「リトル・インディア」とも呼ばれる東京都江戸川区、西葛西。インド人の姿をよく目にするこの街を、恩田薫さんは日々飛び回っている。インド料理店や、インドのスイーツ専門店、それにスパイスを売る食材店などをめぐり、インド人のスタッフに声をかける。 「元気?」「お子さんの学校どう?」 インド人のほうも流暢な、あるいはカタコトの日本語で応じ、笑顔を返す。すっかりなじみの間柄という感じだが、恩田さんの仕事は「行政書士」。実は行政書士というのは外国人の生活に欠かせない存在なのである。日本に住む外国人が急増しているいま、需要と存在感とが増している職業といえるのだ。 そのワケは、外国人が必ず持っている「在留資格」にある。
ドル円相場は4月26日に1ドル=156円台をつけ、同日のニューヨーク市場では一気に158円台へ突入した。この34年ぶりの大幅な円安は、日本経済全体にどんな影響を与えるだろうか。 製造業の企業収益を押し上げたり、インバウンド拡大に寄与したりといった好影響がある一方で、輸入物価の上昇を通じて個人消費の下押し圧力が働くことが懸念される。 長い目でみれば、製造業の国内回帰を促すなど、産業競争力の強化につながるといった効果もありそうだが、正直なところ、筆者はどちらが良いとも言い切れない。 なぜ円安進行は日経平均に追い風となるのか もっとも、日本株の押し上げ要因になっている可能性は濃厚といえる。というのも、日経平均株価採用銘柄の約6割は製造業であるからだ。これはTOPIX(東証株価指数)の時価総額ベースでも同様だ。 円安は、円建て輸出金額をカサ上げするほか、海外子会社など外貨建て資産の評価益拡大を通じ
中国の産業界や消費者が、低い経済成長が続くことを前提とした行動に軸足を移している。不動産不況や米中対立の長期化が確実となり、投資や輸出が主導した高成長が戻らないことが中国社会の共通認識になってきたためだ。 不動産などのバブルがもたらした経済の水膨れが消え、実現性やコストパフォーマンスの高い業態への移行が進みつつある。低成長に慣れた日本企業の協力や競合の相手になる可能性がある。 ※本記事は2024年4月28日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。 【配信予定】4月27日(土) 対中包囲網下で模索する「半導体国産化」の現在地 4月28日(日) 日本化する中国消費「勝ち組」は超絶コスパで勝負 「すでに『5.5G』の潜在顧客を世界各地から招いている」。中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の広東省深圳市の本社を3月末に訪れ、地下の展示ホールに降りると担
特集「中国経済 再起動の現場」の他の記事を読む 中国でコストパフォーマンスを重視した新たな食材・日用品の小売りチェーンが成長している。3年に及んだ新型コロナウイルス禍やその後の景気減速のため、名を捨てて実を取る消費者が増えているためだ。中国経済が消費面で「日本化」してきた表れと言えるが、担い手企業の新陳代謝により新たな商機も生まれている。 中国・上海市にある新興食品スーパー、鍋圏(グオチュエン)食品の店舗は、まるで火鍋専門のコンビニのようだった。100平方メートル弱に満たない売り場には、肉・野菜・スープなど食材に加え、鍋やコンロまで火鍋に必要なすべてがぎっしり並んでいる。 「中国の消費者は近年、自宅で食事する傾向が強まっている。当社は小区(団地)のセントラルキッチンになって需要に応えたい」 2017年に河南省鄭州市で1号店を開いた鍋圏の党瑋(とう・い)・最高執行責任者(COO)はこう語る。
「デジタル・デバイド」という言葉は、最近あまり目にしなくなった。ネット社会が進展する中で、IT環境にアクセスできない人たちが不利益を被るということだ。 総務省の情報通信白書によるとスマホの世帯普及率が90%近くとなり、さすがに「ガラケー」を使うお年寄りはあまり見かけなくなった。「デジタル・デバイド」という言葉は「死語」になりつつあるのか、と言いたいところだが、筆者が主として取材対象とする野球界では残念ながらこの言葉は生きている。 なぜなのかはわからないが、野球関係者は今も「ファクシミリ」が好きだ。プロ野球でも、ほんの数年前まで「取材依頼はファクシミリで」という球団があった。 いまどき、ファクシミリがある家庭は非常に少ないだろう。コピー機兼用の機器があるくらいだろうか?筆者も困り果てて近所のコンビニから送信したりした。 ファクシミリが現役で稼働する地方高野連 そして地方の高校野球連盟では、い
国土交通省が3月に発表した地価公示(2024年1月1日時点)では、京都府内の住宅地の前年比上昇率は1.6%となった。本稿では、京都府で「住宅地」に分類されている452地点の中から、1平方メートル当たりの地価が高い「上位200地点」をランキングした。 国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で公表されている各地点の鑑定評価書から、上位のエリアの特性を見ていく(※鑑定書には地番や住居表示があるが、本稿は最寄り駅で表記)。 →「トップは1坪1.8億円『全国地価ランキング505』」はこちら。 トップ4までが50万円以上 首位の丸太町(京都市上京区)は、70.0万円(1平方メートル当たり)。坪当たりに換算すると、約231万円となった。鑑定書には、「需要者は自用目的又はセカンドハウス利用目的の国内外の富裕層で、画地規模が大きい場合はマンションデベロッパーも見受けられる。御所周辺の土地需要はコロナ禍前から堅
何も動かなかった。何も話さなかった。 34年ぶりの水準となる1ドル=155円を超えて円安が進む中、注目を集めた日本銀行の金融政策決定会合。円安に対して何らかのアクションがあるのではないかと目された。 ところが、短期金利も長期国債買い入れも、決定方針は大きく政策転換した3月のまま。記者会見では円安をめぐる質問が続いたが、植田和男総裁は「基調的な物価上昇率に円安がいまのところ大きな影響を与えているわけではない」と述べ、会見中に156円後半まで円安が進んだ。 日銀が動いてもマーケットは満足しない 「たとえ日銀が利上げしても、為替マーケットではまだ足りない、と円安が進む。中途半端に動くと泥沼化しかねない」。末廣徹・大和証券チーフエコノミストはこう指摘する。 円安が進む背景には、アメリカで利下げが遠のいていることがある。FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)は2022年以降、インフレ抑制のため急激に利
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