「大災害」リスクに賭けたヘッジファンド、23年に記録的リターン

ヘッジファンドにとって、大規模災害を巡る算段が昨年の代替投資戦略の中で最高のリターンを生み出す一助になった。 テナックス・キャピタルやタンジェンシー・キャピタル、ファーマット・キャピタル・マネジメントなどが運用するファンドでは、ハリケーンやサイクロンなどの自然災害を巡る計算が記録的な利益をもたらした。公開の届け出や外部の推計、ファンド成績に詳しい関係者によると、３社はいずれも業界ベンチマークの２倍を超える成果を出した。 こうした記録的なリターンの背景には、ＣＡＴ債（大災害債）や他の保険リンク証券への大胆な投資があった。ＣＡＴ債は、保険業界がカバーしきれないほどの大きな損失から守るために発行される。そのリスクは、災害が発生した場合に資本の一部、あるいは全てを失う可能性を受け入れる投資家に移転される形だ。その代わりとして、契約上定義された大災害が発生しなければ、投資家は多額の利益で報われる。

[equilibrista]

“私が言えることはこのセクターのスプレッドは歴史的高水準に近いということだ。大まかに言えば、市場はリスクに対して十分な対価を受けているとわれわれは考えている”