安倍元総理の国葬と法の支配（大浜啓吉）

◆問題の所在 安倍晋三元総理が凶弾に倒れたのは、2022年7月8日であった。岸田文雄総理大臣は、14日には同年秋に政府主催の国葬を行うことを明らかにし、国葬の費用は全額国費で賄う予定であるとした。7月22日には、「故安倍晋三国葬儀」の名称で、無宗教の形式で国葬を行うことを閣議決定した。 日本国憲法の下では国葬についての法律はない。そこで、官邸幹部らは内閣法制局と協議を重ねた結果、①国葬の実施は、憲法65条「行政権は、内閣に属する」との解釈を前提にして、②内閣府設置法4条3項33号「国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関すること（他省の所掌に属するものを除く。）」を根拠としている。本稿では、まず憲法65条と内閣府設置法（以下、「内府法」と略称する）4条3項33号が法的根拠となり得るかを検討しておく。 ◆国葬の法的根拠 第一に、憲法65条は国葬を実施する根拠法にはならない。行政権

[zu2]

“根拠となる「国葬法」がなければ、行政組織法があることを理由に国葬を実施することはできない”

[quick_past]

普段は法律違反に過敏に反応するくせに、内輪の雰囲気を法に優先するの、なんなんでしょうねこの社会は。法律違反への態度もどうせ、内輪の雰囲気で言ってるだけなんだろうけど

[kjrio]

主権は国民にあるので、主権者が選挙で選んだ議員が国会で成立させた法律無しに、行政が行政組織法を根拠に国葬を決めるのは、法の支配を否定することになるというのが趣旨。これを許せば中露や北と同じ人治国家だ

[wkatu]

警察組織の存在意義を記した『警察法2条…を利用して被疑者を逮捕することはできない。それはこの法律が組織法に過ぎないからである。対処するには行政作用法である刑事訴訟法の規定によることになる』

[marumarumaru1234]

筋は通っているけど、判例に相違し、実用的ではない。この理屈だと追悼式や外国人の生活保護も認められなくなってしまう

[haruhiwai18]

"警察法2条には「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮…」""この条文を利用して被疑者を逮捕することはできない。それはこの法律が組織法に過ぎないから"　→当然

[nakag0711]

大浜先生は行政は法律によって与えられた権限だけを持っているという立場なので。ただ判例はここまで厳格な立場ではない

[myogab]

自民党議員の口から出る「法治国家」の用法が微妙におかしいのは、ここで言う明治憲法を支える原理としての意味で使っていたからなのかもな…／↓侵害留保説て憲法裁判所の無い日本では、侵害が無いと裁判できぬバグ

[bqob9po124]

私は国葬に反対だし、内閣府設置法が国葬の根拠にならないのはご指摘のとおりと思いますが、侵害留保説と国葬実施との関係に正面から言及していないのは少し残念ですね。権利侵害があると解するのは苦しいでしょう。

[cj3029412]

すばらしい(^^)