立ち呑み７倍の戦略

そして帰り際、「まだちょっと時間があるね。はい、サービス」と、焼酎のお代わりが出たのである。もちろん、食券は買っていないからタダである。酒飲みとして、これはうれしい。いや、何と言うか、猛烈に（大袈裟か）うれしい。（笑） しかし、これが本当の戦略ではないか。そう思うほど、絶妙のタイミングで、うれしい気持ちにさせるのである。 それまで、黙々と時間を気にしながら呑み喰うだけの客が、最後の最後に笑顔になって、まるで十年も前からの馴染み客になって帰って行くのである。 失礼かもしれないが、このおばちゃんは見るからに普通のおばちゃんである。町ですれ違っても気付かないような、本当に普通のおばちゃんなのである。 しかし、絶妙に計算されたその客捌きは、まさに芸術の域に達しているかのような才能である。何というセンス、能力ではないか。このおばちゃんなら、何をさせても超一流の売り上げを記録する、そう思うほどである。

[quelo4]

そして帰り際「まだちょっと時間があるね。はい、サービス」と、焼酎のお代わりが出たのである。もちろん食券は買っていないからタダ。酒飲みとしてこれはうれしい。いや、何と言うか、猛烈に（大袈裟か）うれしい