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  • 消費増税は何のため・失われた20+α年 - 経済を良くするって、どうすれば

    財政収支の指標としては、プライマリーバランスがよく使われるが、それに限られるわけではない。GDPの部門別勘定における「貯蓄(純)」も、実態を知るために、とても貴重なものだ。そこから見えるのは、デフレと物の財政危機をもたらしたのは、消費増税を中心とする緊縮財政だったという、やるせない事実である。消費増税自体が目的ではなく、手段だとすれば、一体、何のために行うのか、よく考えるべきだろう。 ……… そもそも、貯蓄(純)とは、プライマリーバランスを算出する下地になるものであり、これに「資移転」、「固定資形成」等の増減を調整した上で、利子の受け払いを差し引いたものだ。ざっくり言えば、財政収支から公共事業を除いたイメージである。公共事業は、国債で賄うとしても、インフラの実物資産が残り、次世代の便益にもなるから、これを除いた収支にも十分な意味がある。 意外にも、貯蓄(純)は、1997年に消費増税を

    消費増税は何のため・失われた20+α年 - 経済を良くするって、どうすれば
  • ケインジアンが読む「そろそろ左派は経済を語ろう」 - 経済を良くするって、どうすれば

    マルキストの経済書を手にするなんて、滅多になくてね。でも、ブレイディ・みかこさんの気風の良さが好きで『そろそろ左派は<経済>を語ろう』を読んでしまったよ。筆者も齢で、まさにオールド・ケインジアンだから、資主義の擁護者になるわけだが、世の中がどんどん右へ行ってしまい、昔は保守流のど真ん中にいたのに、いつしか左に位置するようになった。国民のための経済を語らなくなったのは、右派も同じだと思うな。 ……… 筆者の信条は「経済成長を実現し、福祉国家を建設する」である。これは、高度成長期には、自民党の党是だった。今の世の中は、「経済成長はムリだから、福祉国家を抑制する」になり、果ては、「経済成長のため、福祉国家を圧縮する」なんて倒錯した主張まである。筆者は、経済成長も、少子化克服も政策次第と考えるから、敗北主義にしか思えない。若い人たちが将来を悟って達観するなんて、おかしくないか。 ポイントは、ど

    ケインジアンが読む「そろそろ左派は経済を語ろう」 - 経済を良くするって、どうすれば
    envygreedlust
    envygreedlust 2018/05/27
    "これに懲り、ずるずると緊縮をしつつも、消費増税を先送りし続けたことが選挙での大衆的人気と今の景気回復へつながった。" 異論はないが、これだけでも結構政治的パワーが必要だというのがここ数年での知見では?
  • 消費速報・名目の消費は極めて好調 - 経済を良くするって、どうすれば

    来週、公表される1-3月期GDPでは、消費は低調という結果になるだろう。ただし、それは、実質で見た場合であって、名目では極めて好調だ。名実の乖離は、天候不順に伴う生鮮品の上昇による一過性のものだから、むしろ、基調は強い。この背景には、雇用と賃金の伸びがあり、少しずつ物価にも及んでいる。「実感がない」と言われ続けてきた景気回復も、様相を変えてきている。 ……… 5/11に、GDPの消費に近い内閣府・消費総合指数が公表され、3月は前月比-0.5と大きく落ち、1-3月期は前期比-0.3となった。これでは、1-3月期GDPがマイナス成長になるとの見方が強まるのもやむを得まい。また、日銀・消費活動指数+も、3月が前月比-1.0もの急落となり、これにより1-3月期の前期比も-0.3に下がった。2月公表時での1,2月の平均は前期比+0.4であったから、かなり大きな変動だ。 興味深いのは、消費活動指数(

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  • 10-12月期GDP2次・上方修正で1.6%成長 - 経済を良くするって、どうすれば

    2/4のコラムで、10-12月期GDPは前期比+0.4程としていたが、1次速報の+0.1を経て、2次速報の+0.4へと収まった。輸入が急増していたので、在庫を強めに見ていたことが奏功したように思う。いずれにせよ、2017年各期の実質成長率は、年率1.9%、2.4%、2.4%、1.6%と好調に推移したことになる。いつの間にやら、日経済は2%成長が当たり前のようになっている。次の2018年1-3月期も、危ぶまれていた消費がまずまずの滑り出しにある。 ……… 2次速報のポイントの一つは、設備投資の上方修正で、前期比+0.7から+1.0になったことだ。これにより、設備投資の実質GDP比率は16.1%に上昇し、ハシモトデフレ前のピークを超え、リーマンショック前の最高である2006年10-12月期の16.2%にあと一歩まで迫った。世上、「企業はカネを溜め込んでばかりで投資をしない」とされるが、意外に

    10-12月期GDP2次・上方修正で1.6%成長 - 経済を良くするって、どうすれば
    envygreedlust
    envygreedlust 2018/03/11
    先にコメントを付けてるお二人、あまりはてブを見過ぎないようにしましょう 内閣支持率はまだ高い水準ですよ / 緊縮というか、孫子に借金を残さないってのが老人のエクスタシーなんだろうな、と思う今日この頃
  • 財源なしで大規模な乳幼児給付を行う方法 - 経済を良くするって、どうすれば

    欧米で最大の社会問題は、若年失業と就業促進だ。それゆえ、負の所得税やベーシックインカムが提案される。しかし、日には、雇用の量の問題はない。あるのは非正規労働者への差別的待遇だ。したがって、第一に考えるべきは、いかに社会保険の適用拡大を図り、公平な給付を実現するかになる。例えば、パートは、事実上、育児休業給付を受けることも、乳幼児を保育所に預けることもできない。こうした苦境を、どう変えるのか。この国に財源はある。ないのは現実に根差した理想である。 ……… 問題を解決するために、公的年金を財源として、0歳の始めの6か月間は月14万円、その後、2歳になるまで10万円を給付してはどうか。総額では1人264万円になる。老後に受け取る年金の約1割を、前倒しで受給する形を採れば、新たな負担はまったく必要ない。むろん、受給したくない人は、選ばなければ、従来どおりである。この額は、正社員が雇用保険から受け

    財源なしで大規模な乳幼児給付を行う方法 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 4-6月期GDP1次・成長力の覚醒と解放 - 経済を良くするって、どうすれば

    緊縮なければ、成長する。さすがに、年率4%成長に届くとは思わなかったがね。第一生命研の新家さんも指摘するように、過去1年の最終需要は、2016年7-9月期+2.9%、10-12月期+2.5%、2017年1-3月期+2.1%、この4-6月期+3.8%であるから、潜在成長率がゼロ%台と言うこと自体が現実にそぐわなくなってきた。日経済は、2%後半の成長力を持ち、それを実証して見せた。成長力の覚醒と解放と呼ぶにふさわしいではないか。 ……… 一体、日経済に何が起こったのか。昨年後半から成長戦略が機能しだしたと主張する人は皆無だろう。あれほど成長に必要と叫ばれながら、これと無関係に成長は始まった。要は、成長戦略など、どうでも良かったのである。それどころか、目玉の国家戦略特区は、経済成長より政治腐敗を実現してしまった。産業政策には癒着が付きものという、昔からありがちな成り行きである。 成長起動の主

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  • アベノミクス・本格化する景気 - 経済を良くするって、どうすれば

    6月の経済指標を踏まえると、4-6月期の成長率は2%後半が見込まれる。殊によると3%超となる可能性もある。在庫の押し上げが含まれるが、消費は2%成長に加速し、それに設備投資が先行する堂々たるものだ。遂に、消費は増税前水準を取り戻し、賃金の上昇が始まった。物価への波及を待つのみとなり、安定下の成長は、日銀の立場を別にすれば、理想的ですらある。成長実現の最大の功労は、消費増税の見送りだ。緊縮なければ、成長する。これが日経済の実力である。 ……… 6月の商業動態の小売業は、前月比+0.2と若干の上昇であった。消費者物価の財が+0.2であったので、実質では横バイであろう。その結果、小売業の4-6月期の前期比は+0.7となった。これを踏まえると、6月の日銀・消費活動指数+も概ね横バイと予想され、4-6月期は前期比+1.0程の高めの水準になると見ている。言うまでもないが、これだけあれば、2%成長は優

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    envygreedlust
    envygreedlust 2017/07/30
    高支持率の安部政権だからこそ消費増税を延期できてたという面が大きいので、政治だけ見てるとお先真っ暗 財務省以外の経済関係官僚が今の事態をどう見てるのかが気になるんだけど、あまり情報出てないよね?
  • 教養としての社会保障の限界を超えて - 経済を良くするって、どうすれば

    解決策を探る時には、前提を置いて考えがちだ。経済成長の前提に将来推計人口を置いたり、社会保障を設計する際に成長率の見通しを基にしたりする。しかし、人口が減るから成長は見込めない、成長なしには財源が出ないので、少子化対策が打てないとなると、現状に適応するだけの縮小スパイラルへ陥ってしまう。こうした相互依存の難問を解くには、前提を崩す以外に道はない。 香取照幸著『教養としての社会保障』は時代を切り取る一冊だ。香取さんは、霞が関の官僚として、数々の社会保障改革に関わり、直近では、企業主導型保育事業の実現に尽力した方である。雇用保険料引き下げの好機を捕らえ、年金保険料に付加する企業拠出金を引き上げて保育の財源を確保した手法は、今、話題の「こども保険」の原型になるものだ。そうした方の政策論は、社会保障にとどまらず、時代を知る上で欠かせないものである。 一般の方にとって、社会保障の来歴、社会・経済・財

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    envygreedlust
    envygreedlust 2017/06/18
    団塊の世代がもう年金を貰いはじめてるのに年金が黒字になったという点はもっと重視されてもいいと思う 節約も重要だけど景気回復・株価上昇の力はそれだけ大きい、ということ
  • 1-3月期GDP1次・祝2%成長、あとは水準 - 経済を良くするって、どうすれば

    1-3月期GDPは、見事、実質2%成長に到達した。内容も、民需の寄与度が+0.4、外需+0.1とバランスも良い。何より、消費が前期比+0.4と伸びが回復した。前期の急伸後で望み薄だった設備投資と、ピークを過ぎた住宅も、プラスに踏みとどまり、在庫は調整を終え、寄与度+0.1と押し上げる側へ転じた。そして、公的需要だけが、緊縮財政の下、寄与度0.0と、サッパリ成長に貢献していない。まあ、経済運営が多少ヘボでも、逆噴射さえしなければ、日経済は成長するということかな。 ……… 正直、消費は、もっと行けると思っていた。名目では、直近3期の前期比の平均が+0.4になっているので、お許し願いたい。前期の生鮮物価高が収まり、反動の押し上げを期待していたが、円安による輸入物価高で殺がれたようだ。それでも、消費は、増税後の低迷を脱し、それ以前の伸びである前期比+0.4を取り戻すところまできた。これにより、家

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    envygreedlust
    envygreedlust 2017/05/21
    "財源論に終始する金庫番意識から脱して、少子化緩和に投資し、年金財政の好転で回収するという、若々しい拡大均衡の思想が必要ではないか。"
  • 国民の実感としてのアベノミクス - 経済を良くするって、どうすれば

    アベノミクスの評価については、毎月勤労統計で分かるように、雇用の量は増えたが、実質賃金は低下し、所得と消費の向上は不十分で尽きていると思う。これはハード・データの結果だ。他方、国民の主観的な評価はどうか。ここで「人それぞれ」とすることもない。ソフト・データとしての消費動向調査を見れば良いからだ。その内容は、ハードと概ね同じであるが、少し辛目のものになっている。 ……… 経済はハード・データで見るのが基だが、ソフト・データには速報性があり、鋭く変化するので、景気の潮目を判断するのに役立つ。代表的なものに、内閣府の消費動向調査や景気ウォッチャー調査がある。日経は後者を「街角景気」と略称している。どのように使うかというと、例えば、12か月移動平均を作って、原データとのクロスをチェックする。交差点が景気の潮目であり、最近では、2016年の半ば、輸出が増えだした頃である。 国民の実感は、下図を見て

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  • 若者にとっての少子化対策 - 経済を良くするって、どうすれば

    少子化対策は、女性のものと思われがちで、若い男性の視点で語られることは少ない。しかし、明るい人生を送る上で、とても大事なものである。今日は、端午の節句だし、男性諸君を勇気づけるために、少しばかり話をしようかね。 ……… 幸せとは平凡なもので、就職して、結婚を決め、子供を授かってと、日々を送るうちに人生は過ぎてゆく。少子化とは、そうした出会いの喪失だから、不仕合せの一つと言えるだろう。女性にとっては、結婚してからの少子化対策が関心事だが、男性は、結婚するまでが一苦労である。殊に、消費増税で日経済を壊した1997年からは、就職と結婚が潜り抜けるべき難関となった。 20~39歳の若年男性の就業率を労働力調査で見てみよう。バブル崩壊後、1992年をピークに低下し始めるが、1995年を底に、いったん、持ち直している。ところが、1997年の消費増税の翌年から一気に落ち、ITブームの2000年の小康を

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  • アベノミクスは豹変できるか - 経済を良くするって、どうすれば

    アベノミクスの不振の理由は明らかで、2014年度は、8.1兆円もの一気の消費増税をしたことであり、2015年度は、引き続き、8兆円規模の緊縮財政をしているためである。今年度の緊縮は、あまり意識されないが、補正予算で公債減額を0.8兆円、予算で4.4兆円、地方財政で1.2兆円、厚生年金で収支改善1.6兆円をしたことを忘れてはいけない。加えて、国の税収だけで、3.2兆円の上ブレが予想される。原油安メリットがなければ、停滞では済まなかっただろう。 緊縮財政が敷かれていることは、政府の「中長期の経済財政の試算」でも明らかにされている。2015年度は、財政収支がGDP比で1.4%、約7兆円改善すると記されている。むろん、これには、年金収支や税収上ブレは含まれない。これだけ吸い上げれば、日経済の成長力は年率1.6%くらいのものだから、「緊縮財政は景気に影響しない」という信念の持ち主以外は、素直に納

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