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ブックマーク / dokushojin.com (3)

  • 日本の時代をつくった本 書評|永江 朗(WAVE出版)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

    幕末・明治期から今日にいたる日の近現代一五〇年間を、折々に画期となった書物をとおして通覧するのが書『日の時代をつくった』である。 一五〇年前といえば一八六七年、江戸幕府による支配体制が大政奉還によって終焉した年だ。坂龍馬が暗殺され、夏目漱石や正岡子規が生まれた年でもある。一世紀半を経る間にわたしたちは、ずいぶん遠くまで来てしまったのか、それともさほど変わっていないのか。 書を支えているのはつぎのような考え方だ。「振り返ると、その時々に合わせて書物がつくられてきた。書物は時代を映す鏡だ。時代が書物をつくる。詩歌や小説が書かれ、海外の作品が翻訳され、雑誌がつくられた。それだけでなく、書物が時代をつくることもある。たとえば福沢諭吉『学問のすゝめ』は明治の精神に大きな影響を与えた。『少年マガジン』や『少年サンデー』などマンガ誌は戦後ベビーブーマーたちの心をとらえ、のちに独自の文化を築き

    日本の時代をつくった本 書評|永江 朗(WAVE出版)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
  • デザインってなんだろ? 書評|松田 行正(紀伊國屋書店)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

    「デザインってなんだろ?」という気さくな問いに誘われてページを繰ると、目次には「色ってなんだろ?」から始まって、装飾、ロゴ、レイアウト、表現と、一見オーソドックスな題目が並ぶ。 だが、一歩文に踏み込んだ途端、読者は自分がなんのを読み始めたのだったかと、楽しい混乱を味わうことになる。そこではグラフィックデザインを中心として、古今東西の人類の歴史が、紀元前数万年前から現在までの時間が、素粒子から宇宙までの空間が、人が、社会が、交通が、商業が、技術が、生活が、思想が、縦横無尽に集め編まれている。 「え、どうして? デザインのなのに?」と疑問が浮かんだとしても無理はない。書は言ってみれば、現在のデザインはどのようにして今あるようになったのかという謎を探る冒険の書なのだ。今日ではお約束や常識のようになっていることも、を正せば過去のいつかどこかで誰かがある動機に促されて発案し、それがまた別の

    デザインってなんだろ? 書評|松田 行正(紀伊國屋書店)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
  • 安彦良和ロングインタビュー(聞き手=杉田俊介) (第二部)「安彦良和の現在」 安彦良和、斉藤光政著『原点 THE ORIGIN 戦争を描く、人間を描く』(岩波書店)刊行を機に|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

    あまり伝わってこないというか……、七〇年代から非常に長い脱政治の時代が来るんですよね。「もう政治は流行らないんだ」「それはそうだ、あんまりにも惨めな終わり方をしたもんな、革命なんて来やしなかったし」というのがあったから仕方がないと思いつつ、それにしても政治の流行らない時代が長いなと思っていたら、ある時期三〇歳そこそこの若い連中が、「安彦さんって学生運動をやってたんですか?」と僕に過去を聞こうとする。「なんでそんなこと聞きたいの?」って聞いたら、「いやあ、ちょっと」っていうから、「知らねえや、そんなこと」って相手にしなかったんですけど(笑)。 そういうことに興味を持った若者が出てきたかというのは、七〇年の政治の季節が終わってだいぶ経ってからですね。僕のすぐ下の世代は頭が良くて趣味が良くてカッコいい、政治なんてダサいと思っている人たちで、そいつらがサブカルを引き上げてひとつのムーブメントを形成

    安彦良和ロングインタビュー(聞き手=杉田俊介) (第二部)「安彦良和の現在」 安彦良和、斉藤光政著『原点 THE ORIGIN 戦争を描く、人間を描く』(岩波書店)刊行を機に|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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