「アルバイトの時給が正社員より高くなってしまった」ある飲食業の会社で実際に起きた出来事だ。 ことしの春闘で賃上げ率が33年ぶりの高水準となる中、アルバイトの時給も上昇し、記録的な水準となっているという。 賃金と物価の好循環に向けて明るい兆しにも見える、非正規で働く人の賃上げの動き。 その現状を取材してみると…。 (経済部記者 篠田彩) 記録的な水準 アルバイトの時給は 「1188円」。 三大都市圏(首都圏・東海・関西)の、アルバイト・パートのことし3月の平均時給だ。 過去最高だったことし2月の1192円に次ぐ高水準で、5年前(1044円)と比べ13%の上昇。 調査したリクルートの「ジョブズリサーチセンター」は、人手不足に加え、物価上昇などを受けた最低賃金の引き上げが背景にあると分析している。 実際に、人手不足が深刻とされるサービス業の主な職種で具体的に見ると、この1年で3%を上回る賃上げが