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ブックマーク / realsound.jp (39)

  • 【書店危機】今必要なこと『ブックオフから考える』谷頭和希が提言する“せんだら需要”と“非画一性”

    連日のように書店閉店のニュースが届く現在。今後書店にはどんな活路があるのか。 地方はもとより都心の大型書店やチェーンの書店も相次いで閉店するなど、書店を取り巻く情勢は厳しさを増している印象を受ける。個人の嗜好やニーズが多様化し、多岐にわたる娯楽が誕生する中、書店はどのようにあるべきなのか。 『ブックオフから考える: 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社/刊) 『ブックオフから考える: 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社/刊)などの著作があり、サブカルチャーから書店事情全般に精通する谷頭和希氏に話を聞いた。 ――日各地で書店が閉店し、ニュースになることも増えています。こうした現状について、谷頭さんはどう考えていますか。 谷頭:書店が減少するのは仕方ない側面があると思います。業界全体の制度的な問題はありますが、顧客の目線からすると、既存の書店の多くは、利用者のニ

    【書店危機】今必要なこと『ブックオフから考える』谷頭和希が提言する“せんだら需要”と“非画一性”
  • 同人誌、なぜ電子より紙の本が人気? 大人気ぬいぐるみ“だいあぱん”「合同誌」制作者を動かす圧倒的熱量

    やさかはちる氏が主宰者となり、制作した合同誌。表紙のデザインからの体裁、紙質まで、とにかくすべてにこだわった力作。市販されている雑誌のようである。 ■ファンが集まり合同誌を制作! コミックマーケットなどの同人誌即売会は、紙媒体の魅力を存分に感じられる場でもある。特に、同人誌が誕生したころから普遍的な人気がある「合同誌」は、電子書籍が全盛になっても盛んに制作され、衰える気配がない。同じ志や趣味をもつ者同士が集まり、一冊のを作り上げる楽しみは何物にも代えがたいためだろう。『キラッとプリ☆チャン』の合同誌を制作したやさかはちる氏に、その魅力を聞いた。 ――やさかはちるさんは『キラッとプリ☆チャン』に登場する“虹ノ咲だいあ”のぬいぐるみ、通称“だいあぱん”のファン同士で合同誌を制作したそうですね。キャラクターの、しかもぬいぐるみのファンが集まるとは…… かなりマニアックな取り組みだと思いますが

    同人誌、なぜ電子より紙の本が人気? 大人気ぬいぐるみ“だいあぱん”「合同誌」制作者を動かす圧倒的熱量
  • 大手出版社のECサイト事業、終了するサービスも……ファンを囲い込む雑誌ビジネスの現在地

    NHK出版が、3月末でECサイト事業を終了させることになった。同社はNHKの子会社で、「きょうの料理」や「すてきにハンドメイド」といった番組のテキストや関連商品を販売。今回の事業終了は、事業がコスト的に見合わなくなり、業である出版事業に資源を集中させるためだという。 「雑誌が売れない」と言われて久しい昨今、出版社にとってECサイト事業は頼みの綱のひとつだった。大手出版社が運営しているサイトでは出版物を売るだけではなく、自社で刊行している書籍や雑誌の関連グッズ、また品や衣料品、雑貨なども販売しており、取り扱う商品の幅は多岐にわたる。 雑誌というメディアの特徴のひとつが、雑誌ごとに個性があること、そしてそれを読者が自分の好みで選べることである。総合誌やファッション誌、コミック誌や各種専門誌といった各ジャンル内にそれぞれカラーの異なる雑誌が存在しており、読者はそれらの中から自分の好きなものを

    大手出版社のECサイト事業、終了するサービスも……ファンを囲い込む雑誌ビジネスの現在地
  • 『葬送のフリーレン』ミニアニメにみるTikTokの影響力 従来の“おまけ”が効果的な宣伝に

    アニメ作品の宣伝における、TikTokの効果的な活用が注目されている。最近のヒット作の中でTikTokの活用に成功した事例が『葬送のフリーレン』だ。 日テレビはアニメ『葬送のフリーレン』の初回放送に合わせて、TikTok広告を積極的に活用した。テレビCMを通じての番組告知も行われていたが、テレビを見ない層にもリーチするために、デジタル広告の力を借りることにしたという。TikTok広告マーケティング事例インタビューによると、次のような結果が出ているそうだ。 「今回は広告配信後に「『葬送のフリーレン』の番組を見ましたか?」と弊社でブランドリフト調査を行いました。その結果、調査に参加したTikTokユーザーの約30%が『葬送のフリーレン』の番組を見たことがわかっています。TikTokユーザーがテレビをリアルタイムで見ていることがわかったのは、私たちとしても大きな収穫でした」(※) さらに、「『

    『葬送のフリーレン』ミニアニメにみるTikTokの影響力 従来の“おまけ”が効果的な宣伝に
  • コンビニから本がなくなる? 取次最大手「日販」が配送事業を終了 「LAWSONマチの本屋さん」はどうなる

    コンビニからがなくなる? 取次最大手「日販」が配送事業を終了 「LAWSONマチの屋さん」はどうなる 出版取次大手の日出版販売(日販)が、コンビニエンスストアに雑誌や書籍を配送する事業を、2025年2月には終了するという。10月26日、共同通信社が報じた。現在、日販は全国のファミリーマートとローソン計約3万店に配送している。共同通信社によれば、撤退後は、セブンイレブンに配送しているトーハンが配送事業を引き継ぐ方針とのことだ。 いよいよ、格的な紙離れの影響が出てきたか、という印象である。コロナ禍の中で、電子書籍の売上は伸びた一方で、紙の書籍の売上は落ち込みつつあり、リアル書店の数も減少した。日版のコンビニからの撤退は、これまで堅調と思われていたコンビニですら、紙の雑誌・書籍の売上が落ち込んでいることを如実に表している。 しかし、今回の決定を冷静に見る識者も少なくない。というのも、以前

    コンビニから本がなくなる? 取次最大手「日販」が配送事業を終了 「LAWSONマチの本屋さん」はどうなる
  • 「ハルヒ」はじめ時代を彩る名作がズラリ ライトノベルのルーツであり代名詞「スニーカー文庫」35年の足跡

    『この素晴らしい世界に祝福を!』 ライトノベルのレーベル「スニーカー文庫」が創刊から35周年を迎えたことを記念するオンラインイベント「スニーカー文庫35周年FESTA!」が9月23日に配信された。「涼宮ハルヒシリーズ」の新作が制作中だったり、『時々ボソッとロシア語でデレるアーリャさん』のTVアニメのスタッフが決定したりと、盛りだくさんの情報にそれぞれの作品のファンは喜び、レーベルの歴史がそのままライトノベル歴史となるスニーカー文庫の存在感も示された。 オンラインイベントに登場したタイトルを見れば、スニーカー文庫が折々にヒット作を送り出してきたことが分かる。TVアニメの第3期放送に向けたPVが発表された暁かなめ『この素晴らしい世界に祝福を!』は、編こそ完結したものの劇場版が作られ、スピンオフ『この素晴らしい世界に爆焔を!』もTVがアニメ化されて話題となるなど、2010年代のスニーカー文庫

    「ハルヒ」はじめ時代を彩る名作がズラリ ライトノベルのルーツであり代名詞「スニーカー文庫」35年の足跡
  • 人気の本、なぜ地方の書店では仕入れることができない? 「【推しの子】って、今売れているんですか(笑)」

    リアルサウンドブックでたびたび登場している、秋田県羽後町の「ミケーネ」は、人口約1万3000人の農村の田園風景の中に立つ個人経営の書店だ。実は記者が小学校のころから通っている書店で、数多くの漫画との出会いの場を提供してくれた店でもある。今回は阿部久夫店長と、「ミケーネ」で漫画を買うというラブライバーの武田遼哉さんに直撃インタビュー。地方の書店の現状と課題、そして未来について考えてみた。 「ミケーネ」の外観。地域の文化発信基地である書店を守ることはできるのだろうか。 地方書店はAmazonのVIP顧客!? ――書店に関しては、都心と地方の格差が著しいと言わざるを得ません。おそらく、一般のお客さんは数十万部が印刷されるベストセラーは、どこの書店に行っても並んでいると思っているかもしれません。しかし、実態は人気のあるタイトルほど大都市の大型書店に集中し、地方の個人経営の書店に並んでいないという実

    人気の本、なぜ地方の書店では仕入れることができない? 「【推しの子】って、今売れているんですか(笑)」
  • 小説の新人賞、なぜ「受賞作なし」相次ぐ? 作家デビューへの道はどう変化したか

    今年(2023年)の、第十四回小説 野性時代新人賞は、大賞が該当作なし、奨励賞受賞作として関かおるの「隣も青し」が選ばれた。同賞は昨年の第十三回も大賞が該当作なしであり、奨励賞受賞作として入江直海の「性の隣の夏」が選ばれている。二年続けて大賞なしとは珍しいことだ。また昨年は、鮎川哲也賞が受賞作なし、横溝正史ミステリ&ホラー大賞も大賞受賞作なしという結果であった。それぞれ、優秀賞・読者賞が選ばれ、作品が出版されているが、いささか寂しい状況である。だがこれは、近年の新人賞事情を反映したものといえるかもしれない。 私は二十年以上にわたり、幾つかの新人賞の下読みを担当している。あくまでも個人的な感想になるが、その経験を踏まえていうならば、ここ十年の新人賞の全体的なレベルは上がっている。昔は、己の妄想をそのまま原稿にぶつけたような、小説になっていない応募作があった。しかし現在、そのような応募作は、滅

    小説の新人賞、なぜ「受賞作なし」相次ぐ? 作家デビューへの道はどう変化したか
  • 紙の値上がりが出版に大きな影響  業界関係者アンケートで「価格に転嫁」「ページ数を減らす」が半数以上

    2022年から2023年まで、出版に携わる人の半数以上が、紙代の値上がりが「あった」と回答――。株式会社インターカラーが出版業界人327名を対象にしたアンケートを調査で、ロシアウクライナ侵攻や長引くコロナ禍の影響で、紙の値上がりが出版業界に大きな影響を与えている実態が浮き彫りになった。 今回の調査は、「紙の値上げの状況と紙媒体広告への影響」と題し、新聞、雑誌、フリーペーパーなどの執筆・編集、出版・発行、印刷、製などに携わる全国の327名(男性272名、女性55名)を対象に実施。調査期間は2023年2月16日~2月20日に行われた。 回答によれば、紙代の値上がりが「あった」と回答したのが52.2%で、「3回以上あった」が22.9%にも及んだ。同社の調査では、2022年の紙の値上がり率の平均は24.3%で、著しい値上がりが続いていることがわかる。 この傾向は今年に入っても変わらないようで、

    紙の値上がりが出版に大きな影響  業界関係者アンケートで「価格に転嫁」「ページ数を減らす」が半数以上
  • 主婦と生活社「PASH!文庫」でラノベ界に新風なるか? 老舗出版社の底力と『くまクマ熊ベアー』文庫化への期待

    主婦と生活社「PASH!文庫」でラノベ界に新風なるか? 老舗出版社の底力と『くまクマ熊ベアー』文庫化への期待 『週刊女性』や『JUNON』などの雑誌で知られる主婦と生活社が、2月4日より77年の歴史において初となる文芸文庫レーベル「PASH!文庫」を創刊することを発表した。第一弾作品は、2015年に創刊した「PASH!ブックス」の初期作品で、ラノベ分野に四六判の書籍で参入した『くまクマ熊ベアー』の1~3巻。同作は単行、コミックスなどで計280万部となるヒット作だ。 文庫化によって、さらに格的にラノベ分野で存在感を増していきそうな主婦と生活社。ライトノベルに詳しい書評家のタニグチリウイチ氏に、同レーベルへの期待を聞いた。 「『PASH!文庫』が創刊されると伺って、まず思ったのは主婦と生活社にとって『PASH!』というブランドが大きなものになってきたということです。『PASH!』は主婦と生

    主婦と生活社「PASH!文庫」でラノベ界に新風なるか? 老舗出版社の底力と『くまクマ熊ベアー』文庫化への期待
  • 価格約4万円! 超高額な鉄道本が売れ行き好調 小学館の仕掛け人に聞く、出版不況時代での売れる本づくりとは?

    “地図鉄”垂涎の歴史的な鉄道地図が多数収録されたA3判上製の『日鉄道大地図館』。編集者の三浦一夫は、鉄道ファンと編集者の視点から『日鉄道大地図館』を企画・編集した。 小学館から刊行された『日鉄道大地図館』が好調な売れ行きだ。地図研究の第一人者である今尾恵介が監修したA3判上製の豪華で、価格はというと、税込4万円近い超高価なである。小学館はこの数年でも『運慶大全』『名刀大全』など、出版不況と言われる中で豪華を出し続けている。いずれのも、書籍ならではの所有欲を満たす装丁と美しい写真、そして最新の研究成果を盛り込んだ内容が目白押しだ。 【写真】豪華な『日鉄道大地図館』の気になる中面の一部 ■“の良さ”が凝縮されたは売れる 小学館の三浦一夫氏 今回、熱心な鉄道ファンであり、『日鉄道大地図館』を企画した小学館の編集者・三浦一夫に、成功の要因をうかがった。 「“の良さ”が凝縮さ

    価格約4万円! 超高額な鉄道本が売れ行き好調 小学館の仕掛け人に聞く、出版不況時代での売れる本づくりとは?
  • 合わせて60万部超! 『変な家』『私が見た未来』担当編集者が明かす、出版不況下でベストセラー連発のワケ

    駒草出版を経て昨年、飛鳥新社に入社した書籍編集者・杉山茂勲氏は、担当書籍の『変な家』が22万部、『私が見た未来 完全版』が40万部を突破するなど、一風変わったベストセラーを立て続けに生み出している。 そんな杉山氏に、ベストセラー制作秘話と、YouTubeから企画を生む狙いについて聞いた。(篠原諄也) 『変な家』試し読みはこちら(15〜28) 『私が見た未来 完全版』試し読みはこちら(29〜41) 正体不明の作家と交わしたやりとり 杉山茂勲氏 ーー雨穴さんを知ったきっかけを教えてください。 杉山:去年の11月初めくらいにYouTubeでたまたま見つけて。「変な家」の動画に衝撃を受けました。ある中古物件の間取りに「謎の空間」があって、その謎を追っていくと、前の住人の深い闇に行き着くという話なんですが、その間取りのアイデアが当に斬新でした。きっかけは間取り図という平面から、底知れない話の奥行き

    合わせて60万部超! 『変な家』『私が見た未来』担当編集者が明かす、出版不況下でベストセラー連発のワケ
  • 「TikTokで本の売り上げが変わる時代」マンガと小説ではどう違う? 書店員はなに聞く、動画と書店現場の関係

    TikTok発でが売れる」という記事が大量に書かれるようになった。 だが、どんなジャンルが刺さりやすいのか、新曲のプロモーションを兼ねたチャレンジと紹介とでは反響に違いがあるのか、小説とマンガでは売れ方に違いはあるのか、もっと影響力を拡大させるにあたっての課題はなんなのか――。 全国展開する書店チェーンの部に勤務しながらTikTokにコンスタントにマンガ紹介を投稿し、10万以上のフォロワーを有する「書店員はな」氏に、マンガを中心に動画と書店現場との関係を訊いた。 「ジャンルやタイトルの強さ以上に、年齢にかなり左右される」 書店員はな氏 TikTokを紹介するクリエイターたちの投稿動画に付くいいね数を眺めると、明らかに傾向がある。 筆者の印象では「タイトルの強さ」×「紹介のうまさ」×「ユーザーの好み」の掛け算で動画の反響が決まっているように見える。 「タイトルの強さ」は知名度だ。

    「TikTokで本の売り上げが変わる時代」マンガと小説ではどう違う? 書店員はなに聞く、動画と書店現場の関係
  • 「週刊少年マガジン」連載作品の半分がラブコメになったのはなぜ? 編集長に聞く時代背景と戦略

    「週刊少年マガジン」(講談社)連載作品の約半分がラブコメになっている。マガジン読者からすれば「何を今さら」な話だろうが、かつては読んでいたが最近は読んでいないという30代以上には驚く人もいるかもしれない。 マガジンでラブコメ作品が増えていった理由と、「マガジンらしいラブコメ」とはどんなものかについて栗田宏俊編集長のコメントを交えて考えてみたい。 マガジンの半分がラブコメになったのはなぜ? 30~40代のかつての読者には「マガジンはヤンキーマンガに強い」という人もまだいるかもしれないが、それにしてもなぜここまで増えたのか。栗田氏は「特にヤンキーマンガを強化しようとか、ラブコメを充実させようということはありません。いい作品を載せるというだけです。いい作品を載せていたら、たまたまラブコメが多かった。結果的にラブコメが多くなったのは、時代がそれを求めているからだと思います」と語る。 ラノベでも近年

    「週刊少年マガジン」連載作品の半分がラブコメになったのはなぜ? 編集長に聞く時代背景と戦略
  • 出版界最大の"お祭り"芥川賞・直木賞、その裏で出版社は…… 『決戦!タイムリミット ~芥川賞・直木賞の舞台裏~』放送

    出版界最大の"お祭り"芥川賞・直木賞、その裏で出版社は…… 『決戦!タイムリミット ~芥川賞・直木賞の舞台裏~』放送 芥川賞と直木賞が決まる“その時”に迫ったテレビ番組『決戦!タイムリミット ~芥川賞・直木賞の舞台裏~』が2021年9月4日の19:30~20:59、NHK BSプレミアムにてに放送される。 ニッポンを代表する文学賞といえば、90年近い歴史を誇る芥川賞そして直木賞だ。受賞が決まる“その時”こそ、作品に注目が集まり最大の「売り時」でもある。候補作の発表から受賞作が決まるまでの時間は「1カ月」。限られた時間で、いかに知名度を上げるか、出版社、作家、書店……出版界のプロたちの腕の見せ所となる。 今回のタイムリミットは7月14日の第165回芥川賞・直木賞選考会。候補作は全部で5社10作品。前代未聞、芥川賞2作、直木賞2作、合計4作ものノミネートに湧く出版社も。そして注目は直木賞候補。

    出版界最大の"お祭り"芥川賞・直木賞、その裏で出版社は…… 『決戦!タイムリミット ~芥川賞・直木賞の舞台裏~』放送
  • 『古見さんは、コミュ症です。』の少女漫画的な魅力とは? 友達づくりの物語が描き出す、ピュアな感情

    県内でも有名な進学校・私立伊旦高校に入学した、“只野くん”こと只野仁人。今までずっと普通を自認してきた只野くんは、平和な学校生活を送るべく周りの空気を読んで目立たずに過ごそうと決意。しかし、登校初日にして学校のマドンナの地位を築くまでの美人「古見さん」の隣の席となってしまう……。 夢は友達100人作ること 『古見さんは、コミュ症です。(1)』 そんな導入から始まれば、どんなラブコメが展開されるんだ!?と想像する読者も多いはず。しかし作『古見さんは、コミュ症です。』(小学館)は、いわゆるラブコメでも、もっと大きく言えば『週刊少年サンデー』の連載ながら少年漫画でさえない。もう少し、中身を見てみよう。美人ゆえにか、どこか周りを拒絶する雰囲気の古見さん。しかし加えてどこか挙動不審なところから、彼女は人と話すことが苦手なのだと只野くんは気づく。 当はしゃべりたいけれど、人前に出ると緊張で固まって

    『古見さんは、コミュ症です。』の少女漫画的な魅力とは? 友達づくりの物語が描き出す、ピュアな感情
    fiblio
    fiblio 2021/05/26
  • 赤坂アカ×横槍メンゴ『【推しの子】』から目が離せない! 斬新すぎるアイドル物語の行末は?

    一向に見えないアイにの心 AKB48などの登場に始まったアイドルブームが巻き起こり、早くも10年以上が経過しようとしている。アイドルファンの間でしか使われていなかった「推し」という専門用語も、現在は多くの人々が認知している状態だ。 『【推しの子】(1)』 そんな中『【推しの子】』というタイトルを目にすれば、頭にクエスチョンマークが浮かぶのも無理はない。「推している子供?」「推している子=娘?」などと、色々なことを想像してしまうだろう。 なんと作は、主人公が文字通り“推し”の、“子”、つまり推していたアイドルの子供に転生するという斬新すぎるストーリー。今までにはなかった設定と、予想もつかぬ展開で話題を呼んでいる。今や週刊ヤングジャンプ、及びジャンプ+で人気沸騰中の作品だ。 『クズの懐』で漫画界に衝撃を走らせた横槍メンゴ、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』で知名度が急上昇し

    赤坂アカ×横槍メンゴ『【推しの子】』から目が離せない! 斬新すぎるアイドル物語の行末は?
    fiblio
    fiblio 2020/12/23
  • 全788ページの大著が11万部突破! 『独学大全』担当編集者に訊く、”高くても分厚い本”が売れるワケ 

    今年9月の発売以来、驚異的な売れ行きを記録している『独学大全』は、正体不明、博覧強記の読書家であり、独学の達人である読書猿が書いた「勉強法の百科事典」だ。 総ページ数は全788に上り厚さは約5cmと、とにかく分厚い書が、12月23日現在、発行部数11万部を記録し大ベストセラーとなっている。「リアルサウンド ブック」では『独学大全』の編集を手掛けた、ダイヤモンド社・田中怜子氏にインタビュー。『独学大全』誕生のきっかけから、書がヒットした理由、さらには同社独自の編集方針など、多岐にわたり話を訊いた。(編集部) コンプレックスから生まれた「独学」というテーマ ――『独学大全』誕生の背景を教えてください。 田中:私は経済学部卒業でもなく、MBAも取得していない。教養もありません。たまたまこの道に進んだけれど、ビジネス書の編集者の中で流ではないという気持ちが常にありました。ビジネスのことがわか

    全788ページの大著が11万部突破! 『独学大全』担当編集者に訊く、”高くても分厚い本”が売れるワケ 
  • 『夢中さ、きみに。』『女の園の星』和山やまの作家性とは? ”間”から生まれるスローテンポな笑い

    笑いは、“間(ま)”にこそ生まれるものなのだと思う。漫画家・和山やま氏のデビュー作『夢中さ、きみに。』、初連載作品の『女の園の星』第1巻を読んで、そう感じた。 老若男女問わず読者の心を掴んでいる気鋭の漫画家、和山やま氏。「このマンガがすごい!2020」オンナ編で第2位に輝き、ドラマ化も決定した『夢中さ、きみに。』に続き、連載作品の『女の園の星』は「このマンガがすごい!2021」オンナ編にて第1位になった。「『女の園の星』の2巻を早く読みたい」といった声が、性別や環境問わずSNSで埋め尽くされている。 和山氏は、和山友彦名義で投稿した『優等生の問題』が2015年前期・第67回ちばてつや賞一般部門に入選したことをきっかけに漫画家としてのキャリアをスタート。連載『ファミレス行こ。』や読み切りを描き続け、『夢中さ、きみに。』で単行デビューを果たした。 一般的なギャグ漫画と異なるのは、物語のテンポ

    『夢中さ、きみに。』『女の園の星』和山やまの作家性とは? ”間”から生まれるスローテンポな笑い
    fiblio
    fiblio 2020/12/18
  • 『怪獣8号』は正義を描き切れるか? 『呪術廻戦』『デビルマン』の展開から考察

    世間が害悪と見なして恐れる怪獣になってしまった中年男の日比野カフカが、怪獣ならではのパワーを正義のために使って怪獣を倒そうと奮闘する。 松直也の漫画『怪獣8号』(集英社)は、カフカが正体を隠そうとしてあたふたするコミカルな様や、怪獣を相手に振るうパワーのすさまじさが目下の読みどころだが、気になるのは人間を超越した存在となったカフカが行き着く先。鬼に堕ちなかった『鬼滅の刃』の竈門禰豆子や、宿儺を抑え続ける『呪術廻戦』の虎杖悠仁のように正義を貫き通せるのか。それとも『デビルマン』の不動明のように人間を憎み始めるのか。 これで終わりとなる吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(集英社)の第23巻が積まれた12月4日の書店に、これから始まる物語も並んだ。同じジャンプコミックスから登場した『怪獣8号 1』だ。『鬼滅の刃 23』や『キングダム60』(集英社)、『進撃の巨人33』(講談社)といった人気シリーズが上位を

    『怪獣8号』は正義を描き切れるか? 『呪術廻戦』『デビルマン』の展開から考察
    fiblio
    fiblio 2020/12/13