最近よく目にする「大人女性のADHD」という言葉。以前は男性に多いと考えられてきたADHD(注意欠如・多動性障害)だが、女性はただ単に見過ごされてきただけではないかという見方も出てきているという。しかし、二次障害を防ぐには早期発見が大事だと話す医師も。なぜ未就学女児のADHDは選定しづらいのか、そして発見するためのサインはないのか。児童精神科医の大和行男先生に聞いた。 子どものADHDの3大兆候は「多動性・衝動性・不注意」。この3つのうち、大人は「多動性・衝動性」がほぼ消え、「不注意」の問題だけが残ることがある。大人と子どものADHDの特徴の大きな違いはここにある。 「脳の成長によって多動性・衝動性が緩和される面と、社会人になっていろいろな世代の方と関わる、顧客対応や仕事内容が変わるといった環境因子も、不注意とされる症状が大人のADHDの中核であることに寄与していると考えられます」(児童精