不明を恥じるとともに、深く考えさせられる“事件”だった。 7月22日に東京・味の素スタジアムで行われたJリーグ2部(J2)東京V−甲府戦で、東京Vのブラジル人FWレアンドロが相手選手から人種差別的発言を受けたと激高した問題。両チームの当該選手らを事情聴取したJリーグは24日、「人種差別的な発言は確認できなかった」として処分しなかった。“言った”“言わない”は水掛け論。結論にケチをつけるつもりはない。 それより、問題となった「言葉」が、黒人系社会では人種差別的な意味になることを初めて知った。レアンドロは周囲がなだめるのに苦労するほど取り乱し、一時は「ブラジルに帰る」とまで言い出したという。果たして、そこまで激高するような「言葉」が自分にあるだろうか。正直ピンとこなかったのも事実だ。 かつてスペインでは、バルセロナのFWエトーが相手サポーターから人種差別行為を受け、試合中にピッチから去ろうとし