登り窯のそばにある、焼き損ないの製品を捨てる場所のことを「ものはら」と言います。長い年月を経た「ものはら」には焼き物の”地層”ができ、積み重ねられた歴史と伝統技術の上に「今」があるという事を一目で伝えてくれます。 波佐見焼の歴史は「ものはら」の発掘により解明されました。400年前、一つの小さな窯に始まり、世界に類を見ないほどの巨大な登り窯を築きあげそして、日用食器の一大生産地となっていきました。今日もなお、日本有数の焼き物産地として生き続ける波佐見焼には時流に乗る柔軟性と、たくましさがあります。 伝統産業を引き継ぐ私たちが目指すのは国やジャンルを超えたものづくりをすること。世界中の人に波佐見焼を使ってもらうこと。先人達が残していったタイムカプセルを開き自分たちの手で、新たな地層を積み重ねていきたいと思っています。