塚越健司(以下:塚越氏)■ハクティビズム(hacktivism)というのは「ハック(hack)」と「アクティビズム(activism)」を掛け合わせた造語で、1995年頃から使われはじめたといわれています。ハックとは、解釈が難しい言葉なんですけど、情報技術を操って物事を改善する、合理的あるいは創造的なプログラミング行為のことを指しているといえます。 一方のアクティビズムとは、「積極行動主義」ないし「政治的行動主義」と呼ばれる考え方で、ある目的を達成するための政治活動や社会運動を意味します。つまりハクティビズムとは、情報技術を用いて社会運動を行うことです。 ──そのハクティビズムには現在、大きく分けて2つの潮流がある、と著書の中でおっしゃっていますね。 塚越氏■はい、1つは、何らかの新しいツールを開発し、法律や政策を無効化することによって間接的に社会の変革を促すタイプで、僕は「正統派ハクティ