パナソニックの本社R&D部門で働く30代の男性係長Aさん。平日、普段通りの朝6時半に起床するが、その日はスーツには袖を通さない。普段なら通勤電車に揺られている時間を利用して自宅の周りをゆっくりとジョギング。会社の始業時間となる午前9時、自宅から上司に仕事開始を連絡し、先週やり残していた実験結果のデータの整理にとりかかる。 午後5時半、仕事に一段落をつけ、職場や学校から戻ってきた妻や子供を出迎える。そして家族いっしょに夕食を食べ、テレビを見て、眠りにつく。 こうした「定時に職場に集まらない」働き方をパナソニックは“e-Work”と名づけ、全グループで強く推進している。 2006年、当時の社長だった中村邦夫・会長による「多様な働き方の推進は福利厚生というよりも経営施策だ」というメッセージの下、そうした働き方を促進する部署「e-Work推進室」が社内に発足。1年間の試行期間を経て、2007