「海外組」を巡る言説を問う 「日本人らしさ」というステレオタイプ 海外の日本人選手や日本代表について語る際、つい何気なく「日本人らしさ」という言葉を使っていないだろうか? 気鋭の社会学者がその風潮に警鐘を鳴らす。 2013年06月27日(木)11時53分配信 text by 有元健 photo Kenzaburo Matsuoka,Asuka Kudo / Football Channel 【フットボールサミット第9回】掲載 信頼の置けない「国民性」という語り 恥ずかしい思い出話から――。イギリス貧乏留学時代、サッカーの通信員というバイトの口を得た。ある試合後の取材で、私は敗れた監督に向かってこう聞いた。「今日は日本人選手にPKを取られたが、どう思うか?」。我ながらばかげた質問である。気さくで知られるその監督は怒りを隠そうともせずにこう答えた―「日本人だろうが中国人だろうがPKはPKだ!」