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いよいよ開催まで1年を切った「2025年大阪・関西万博」――。膨らむ費用、建設の遅れなど課題が“脈々”と山積しているが、諸悪の根源は何なのか。万博のシンボルが造られる過程での「ずさんな実態」を通して、日本を代表する世界的建築家が危機の深層を問う。【山本理顕/建築家】 【写真をみる】「全然できてないじゃん!」“ほぼ更地”の万博会場 完成予想図との差は歴然 *** 会場をぐるりと囲む木造の大屋根、通称「木造リング」と呼ばれる「大阪・関西万博」のシンボルは、大阪へ万博を招致する最初の段階で作成された計画案には、明記されていませんでした。 いったい誰がいつ、造ると言い出して建設することに決まったのか。その経緯も含めて責任者が不明で、信頼できる情報が発信されているとは言い難い。数々の疑問に対して、責任者がしっかりと答えてくれればいいだけなのに、それができていません。
「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞に決まった山本理顕さん(78)が18日までに、2025年大阪・関西万博を巡る共同通信のインタビューに応じた。費用面をはじめ反発がやまない中、会場デザインの理念や構想に関する運営側の発信が少ないと指摘。責任者となる藤本壮介氏に「説明責任を果たすべきだ」と促した。藤本氏を含む建築家にエールも送った。 山本さんは、会場デザインプロデューサーの藤本氏が担当した木造の巨大環状屋根「リング」の説明が不足していると強調。約350億円の整備費に批判が噴出した一方で「大量の木材をどこから調達しているのか。環境問題の面で調達先に迷惑がかかっていないか」といった情報がないと訴える。 藤本氏が会場デザインに関し、公の場で説明する機会は限られてきた。山本さんは「既に大混乱だ。記者会見するべきだ」と注文を付けた。 山本さんは厳しく発言する背景に、説明不足のままでは「参加する
「建設業界のせいにされても困る…」大阪万博で設計を担当する「一級建築士」の告白…パビリオン完成が開催に間に合わない「納得の理由」 2月下旬、本誌記者は大阪府・夢洲の会場予定地を訪ねた。巨大木製リングの工事が進む一方、海外パビリオンは基礎すらない。広がるのは茫漠とした灰色の地面。絶対に間に合わない―そう確信した。 3分の1が間に合わない 「参加国のうち約60ヵ国が、自らデザインも建設も担当する『タイプA』方式を選びましたが、現在のところ、パビリオンの設計が固まり見積もりもできて着工の段階にある国は、シンガポールやアイルランドなど20ヵ国程度しかないようです。 次の20ヵ国は現在設計をしながら同時に様々な申請を進めつつ、見積もりを調整している段階です。これらは順調に行けば5月中には着工できるでしょうが、それでも開幕に間に合うのか、気を揉んでいます」 こう語るのは「2025年日本国際博覧会」(以
第62回関西財界セミナーの閉幕後、会見に臨む関西経済連合会の松本正義会長=9日午後、京都市左京区(渡辺恭晃撮影) 2025年大阪・関西万博をめぐり、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は9日、建設業界がパビリオン建設などに協力的ではなかったと主張し、「建設会社は、『ナショナルプロジェクトの万博を成功させるため、最大の努力をする』とくらいコメントしてはどうか」と恨み節を口にした。 【写真】経団連の十倉雅和会長「ちょっと待ってください」。記者会見中の不吉なハプニングに悲鳴 京都市で同日まで開催された「関西財界セミナー」の記者会見での一幕。万博に関し、日本建設業連合会の宮本洋一会長(清水建設会長)は、海外パビリオンの準備が遅れていることについて、「デッドラインは過ぎている」などと、建設が厳しい状況にあると繰り返し訴えてきた。 万博に関連する質問を受けた松本氏は「建設会社はけしからん。
いよいよ大きな決断を迫られそうだ。 あと数カ月で開幕まで1年を切るのに、難問山積の大阪・関西万博。会場建設費と運営費は倍々ゲームで、会場までのインフラ整備費を含めると、関連費用は1兆円を突破する。 万博の華である海外パビリオン建設の遅れも絶望的。参加159の国と地域のうち、23年内に自前で建設するタイプの起工式にこぎつけたのはイタリアのみ。当初計画では24年7月中に建設を終える予定が、実現の見込みはゼロだ。英紙フィナンシャル・タイムズは〈欧州のある国は、日本最大手の建設会社から「希望通りのパビリオンをつくることはできるが、完成は万博が閉幕してから1カ月後になる」と告げられたらしい〉と報じていた。万博は無事に25年4月の開幕を迎えられるのか。 「現行計画を抜本的に見直さない限り、延期の確率はほぼ100%」とは、建築エコノミストの森山高至氏だ。こう続けた。 「会場の夢洲は大阪湾のゴミの島。想定
工事が進む大屋根(リング)=12月4日 大阪市の埋め立て地、夢洲で2025年春から開催される大阪・関西万博について、政府は12月19日、会場建設費を中心に計1647億円とする試算を公表した。そして、シンボルとされる大屋根(リング)をめぐっては、万博終了後に「移設」「保存」といった意見が政府や地元・大阪から出始めている。当初は解体され、木材は再利用するという方針だったが、344億円かけて半年で壊すのは「無駄使い」と一斉に批判されたことが影響したとみられる。「特殊な技法」「世界最大級」「レガシー」といった言葉で表現されるリングだが、建設に携わるこの道15年のベテラン職人は「移設して残すような特別なものじゃない」と冷静に語る。 【写真】気持ち悪い?かわいい?賛否が割れる万博の公式キャラクターはこちら 会場を取り囲むように建てられるリングは、1周2キロ、直径675メートル、建築面積約6万平方メート
関西ニュースKANSAI 【独自】資材キャンセルで十数億円負担か 万博パビリオン「タイプX」24棟分を先行発注も…採用は最大3ヵ国に 12/25 12:55 配信 万博協会がプレハブのパビリオン「タイプX」について、24棟分の資材を発注しましたが、採用する国は最大でも3ヵ国にとどまり、キャンセルで十数億円がかかることがわかりました。 大阪・関西万博では、参加国が独自にデザインする「タイプA」のパビリオンが約50棟、計画されています。 しかし資材の高騰や、予算不足などから建設が進まず、経済産業省は代替案として、建設期間が短くて済む箱形のプレハブ「タイプX」を提案しました。 関係者によりますと、協会は24棟の「タイプX」の資材を先行発注しましたが、選択するのは現状、ブラジルなど最大でも3ヵ国にとどまるということです。 協会は、各国が共同利用できるパビリオンなどとしてほかに6棟のXを計画していま
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2025年大阪・関西万博にパビリオンを出展して参加することを公式表明していた中南米のメキシコが、撤退の意向を関係者に伝えたことが9日、分かった。万博からの撤退意向が分かった国は初めて。メキシコは自前で設計・建設する「タイプA」を出展する予定だったが、来年6月に大統領選挙が計画されており、再来年開催の万博への出展に必要な予算措置が不透明な状況になっているとみられる。 ただ、撤退を防ぐため、今後、日本国際博覧会協会(万博協会)が、より資金負担が少ない小規模な「タイプC」へ移行しての参加などを働き掛ける可能性がある。 メキシコは、公式に万博への参加を公式表明している153カ国(・地域)の一つ。しかし、正式な参加契約まで進んだ34カ国(11月1日現在)には入っておらず、参加をやめてもペナルティーなどは発生しない。 タイプAのパビリオンを目指す国・地域は当初、メキシコを含め56あったが建設資材や人件
海外パビリオンの建設が遅れている2025年大阪・関西万博を巡り、別の問題が浮上している。前売り券の購入を割り当てられた経済界が二の足を踏んでいるのだ。「枚数が多すぎてさばききれない」といった悲鳴が漏れ、購入しても前売り券が塩漬けになる恐れもささやかれている。前売り券は万博の運営費を開幕前に確保する手段だ。いったい何が起きているのか。 1枚6000円、1社15万~20万枚 「アレの対処法、見つかりましたか」 「とんでもない。御社と状況は同じですよ」 こういったやり取りが23年夏、関西の主要企業で財界を担当する社員同士で交わされた。アレとは、関西経済連合会(関経連)へ副会長を輩出している16社に割り当てられた万博の前売り券購入のことだ。関経連は関西の経済界の取りまとめ役を担っており、関西に本社を置く企業やゆかりのある企業が中核を占める。 万博を開催する資金は会場建設費と運営費に大別される。前者
「お盆休み前(の忙しいタイミング)なのに、無理矢理、説明会に参加させられた」。中堅ゼネコンの幹部はため息をつく。 この幹部の言う説明会とは、日本国際博覧会協会(万博協会)が建設業者向けに開いた会合のことだ。2025年4月に開催予定の「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)は、海外参加国のパビリオンの建設が大幅に遅れている。 この状況を受けて、運営主体の万博協会は8月7日、大阪府咲洲庁舎(大阪市住之江区)の2階にあるホールで、建設への協力を呼びかけようと説明会を実施した。 「やけど程度では済まない」と吐き捨てる関係者も 会場には、100社を超える建設業者が詰めかけた。当日、万博協会は「参加国の準備状況やパビリオン建設に関する情報提供を行った」(中堅ゼネコンの幹部)という。 だが、海外パビリオンに対するゼネコン関係者の見方は冷ややかだ。 「儲からないであろう仕事に、社員や職人をつっこむわ
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建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba マンガ建築考の森山高至が「たてものと生活と社会と文化」を考えています。 twitter始めました。https://twitter.com/mori_arch_econo 連絡先は moriarchecono@gmail.com 大阪万博が大変だ!との噂をもとに、まずはパビリオン建設が間に合わないんじゃないか?について調べています。 昨日までにわかったことは、パビリオンは3つの方式であるということです。 A参加国が土地を借りて自分で建てる B参加国の要望を聞いて日本側が建てる C日本側が建てたパビリオンにテナントとして入る 今、一番心配されていることというのが、 このうち、Aでやると言っている国々が、建設の申し込みをしていない、ということらしいです。 タイプAというのは「土地を借りて自分で建物を建てる」というも
大阪・関西万博のパビリオン建設が大幅に遅れている。 労務費や物価の高騰など遅れの要因は一つではないが、根底にあるのは万博協会のマネジメント能力の欠如。 日本はオペレーションの高さを世界に誇ってきたが、その部分も劣化し始めているのかもしれない。 (植村 公一:インデックス代表取締役社長) 2025年国際博覧会(大阪・関西万博)のパビリオン建設が遅れているという報道が連日のようになされています。 私が代表を務めるインデックスは建設・インフラプロジェクトのプロジェクトマネジメントが本業であり、いくつかのパビリオン建設のプロジェクトマネジメントに実際に関わっているため、着工前に必要な建築基準法上の仮設建設物許可申請が進んでいないという話は少し前から聞いていました。 それでも、万博開催まで2年を切っている今、許可申請を出した国内パビリオンが全体の約3割に過ぎず、参加国・地域の海外館に至っては申請数が
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