「IUTeich」(=宇宙際 Teichm¨uller 理論)の出発点は、 入れ子になっている宇宙の列 というイメージにある。このようなイメージは、古代に遡るものと思われ、本稿で取 り上げる「そっくりハウス」のアニメをはじめ、世界各地の様々な物語・神話に登場 するものである。IUTeich の場合、それぞれの宇宙は、 「通常の環論・スキーム論が有効な古典的数論幾何的舞台一式」 に対応する。アニメの中では、この宇宙たちは「家」という形で表される。それぞ れの古典的数論幾何的舞台の中にテータ関数があるが、このテータ関数は、「次の宇 宙」との間の「フロベニオイド論的」(=非スキーム論的!Frobenioids I, II及び´Etale Theta を参照)「橋渡し役」を果たすのである。アニメでは、このリンク役の テータ関数に対応するものは、「小さな家」の中を覗き込む少女の目線 である。実際