公立学校の教員採用試験の志願者が減り、学生が教職を敬遠するのはなぜか。その理由を学生本人に聞く調査が続いている。過酷な勤務実態を知り選ばなくなったり、教育実習の経験が影響したりする状況も浮かぶ。 実習に行き「絶対無理だと感じた」 一般財団法人「教育文化総合研究所」(東京都千代田区)所長の菊地栄治・早稲田大教授(教育社会学)が、学生へのインタビューをもとにした報告書を今年5月にまとめた。昨年10~12月、教員免許を取る予定ながら教職以外の道を選んだ国私立大の4年生21人に7大学8人の教員が聞いた。 「教師に向いてるのになと私自身も思うけど、やっぱり日本では無理」。海外の大学院に進む私立大の女性は大学教員のインタビューに対し、そう話した。「諦めさせるほど劣悪な職場環境なのは『ちょっともったいなさすぎるよ、日本』って思うのが悔しい」 教職断念のきっかけで目立つのは教育実習だ。金融機関に就職する国