去年8月、東京・足立区に住む男性が寝込みを刃物で襲われた。男性は抵抗し、命を落とさずに済んだ。3カ月後、この男性の妻が、「SNSを通じて雇った男らに夫を殺させようとした」として逮捕、起訴された。裁判で妻は「夫の殺害を依頼したことはない」と否認した。 誰かに頼んで夫を殺させようとするなどという、映画のような話が本当にあるのか。裁判担当の私は、法廷に足を運び、それを確かめようとした。 公判で注目されたのは、「復讐代行屋」という言葉。そんな世界が本当にあるのか。裁判の行方を追った。 (テレビ朝日社会部司法担当・島田直樹) 瀧田深雪被告(45)は去年8月、SNSで依頼した実行役2人と共謀し、東京・足立区の自宅で寝ていた夫(45)の左胸をサバイバルナイフで突き刺し殺害しようとした罪で起訴された。 事件から1年以上たった今年10月、裁判員裁判が東京地裁で開かれた。裁判が始まる直前、傍聴席はほとんど埋ま