ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (4)

  • 人肉食が行われるほど追い詰められた、漂流者たちの反逆と帰還──『絶海: 英国船ウェイジャー号の地獄』 - 基本読書

    絶海: 英国船ウェイジャー号の地獄 作者:デイヴィッド・グラン,David Grann早川書房Amazonこの『絶海』は、1740年代に起こった英国船ウェイジャー号の漂流。そしてそこからの数年がかりの帰還までを描き出した、冒険・歴史ノンフィクションである。もともとウェイジャー号は財宝を積んだスペイン船を追う密命を帯びた、250人の乗組員のいる大規模な船だったが、嵐に荒波にと過酷な航海と壊血病による壊滅的な被害によって、南米大陸南端を航行中嵐に飲み込まれてしまう。当時の造船・航海技術は完璧とはほど遠く、こうした事故自体は航海につきもので、そう珍しいものではない。 しかしこの事例では事故の後に特異性があった。わずかに生き残ったウェイジャー号の乗組員たちは、ろくに料もとれない無人島に到達し、料や武器を奪い合い、裏切りは続出し、海軍の規範を維持することもままならず、果てには殺人や人肉に及ぶも

    人肉食が行われるほど追い詰められた、漂流者たちの反逆と帰還──『絶海: 英国船ウェイジャー号の地獄』 - 基本読書
    kitamati
    kitamati 2024/04/23
    ウェイジャー(Wager)が賭けって字義通りだったとしたら大負けやのう
  • 毒はどのように人間を死に至らしめるのか?──『毒殺の化学:世界を震撼させた11の毒』 - 基本読書

    毒殺の化学:世界を震撼させた11の毒 作者:ニール ブラッドベリー青土社Amazonこの『毒殺の化学:世界を震撼させた11の毒』は、その書名の通りに人間を毒殺するために用いられた11の毒について書かれた一冊になる。毒殺では常套手段といえる青酸カリやトリカブトはもちろん、一般的には糖尿病治療で用いられるインスリンなど、それらがどのように人体を死に至らしめるのかという科学。そして、歴史を振り返ったときにその毒がどう殺人に用いられてきたのかが合わせて語られていく。 取り上げられているエピソードは単なる毒殺ではなく暗殺であったり、不特定多数に向けた無差別毒殺テロにみせかけて実は特定の狙いがいたというはた迷惑なケースであったりと、犯罪・事件的に話題性にとんだものばかりで、科学と犯罪捜査で一度で二度おいしい構成になっている。おもしろいのが、発覚したケースでないと誰にも知られぬまま忘れられていくだけだか

    毒はどのように人間を死に至らしめるのか?──『毒殺の化学:世界を震撼させた11の毒』 - 基本読書
    kitamati
    kitamati 2023/08/31
    くられの件もあったことだし、この本も有害図書指定されるんやろなぁ
  • 二年連続でヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した、自省的な人型殺人警備ユニットの日常録──『マーダーボット・ダイアリー』 - 基本読書

    マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫) 作者:マーサ・ウェルズ出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/12/11メディア: 文庫マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫) 作者:マーサ・ウェルズ出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/12/11メディア: 文庫この『マーダーボット・ダイアリー』はマーサ・ウェルズのSFアクション連作中篇集である。上下それぞれに二篇の中篇が収められていて、特に上巻の「システムの危殆」はヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の各ノヴェラ部門を授賞。続く「人工的なあり方」もヒューゴー賞、ネビュラ賞を授賞と(賞的な意味で)評価の高い作品。 それにこの創元文庫版は安倍吉俊のイラストもあいまって刊行がたいへん待ち遠しかったんだけれども、読んでみたらこれが期待通りのおもしろさ! 全篇通して自分のことを一人称で「弊機」を呼ぶ人型警備ユニット

    二年連続でヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した、自省的な人型殺人警備ユニットの日常録──『マーダーボット・ダイアリー』 - 基本読書
    kitamati
    kitamati 2019/12/15
    “弊機”とはオリジナルで何か特殊な言い回しをしているのか、訳者のセンスか気になる
  • アジアの各国でBLはどのように受容されているのか?──『BLが開く扉 ―変容するアジアのセクシュアリティとジェンダー』 - 基本読書

    BLが開く扉 ―変容するアジアのセクシュアリティとジェンダー― 発売日: 2019/10/25メディア: 単行(ソフトカバー)この『BLが開く扉』はアメリカ生まれで現在神奈川大学の外国語学部の教授をつとめるジェームズ・ウェルカー編集による、アジアの文脈におけるBLの受容のあり方をめぐる論考を集めたアンソロジーだ。僕はBLの愛好家というわけではないが、BL作品が文化や読み手にどのような影響を与えるのか、また現代のフェミニズム的な思想、文脈からBL(や百合)的な作品がどのような意味を持っているのかは気になっていて、その流れで書も手にとったわけだけれども、これは大変勉強になった。 たとえば、「BLとスラッシュのはざまで 現代中国の「耽美」フィクション、文化越境的媒介、変化するジェンダー規範」と題された論考では、シュウ・ヤンルイとヤン・リンによって中国の耽美と呼ばれる男性同士の恋愛物語をまとめ

    アジアの各国でBLはどのように受容されているのか?──『BLが開く扉 ―変容するアジアのセクシュアリティとジェンダー』 - 基本読書
    kitamati
    kitamati 2019/11/19
    “中国語圏では、現実の同性愛者を支持しない腐女子は「偽腐」”耽美という独自ジャンルがあるのに腐女子と呼ばれるのか。まあ漢字を共有する数少ない国だからかな・・・
  • 1