FreeBSD developer summitで議論された内容を理解するには、背景にある事情や、少なくとも基本的な技術知識を身につけておく必要がある。サミットで議論された内容をふまえ、どういった背景があるのかを説明する。 マルチプロセッサへの対応 まず背景にある大きな流れとして、システム全体をマルチプロセッサシステムに適したモデルに変更し、実装をおこなっていこうというものがある。FreeBSDはその変更を実施するためにFreeBSD 5系の開発を延長し、実に2年という期間をかけて抜本的な変更に取り組んできたことは、これまでに何度も紹介した。 FreeBSDは4系までBGLをベースにしたモデルを採用していた。これはカーネルモードに入る実態を1つに制限するというものだ。さらにFreeBSDではSPLを使った割り込み処理をおこなっていた。この方法はプロセッサがひとつしかない場合にはうまく動くが