kissing diseaseと呼ばれるウイルスがある。Epstein-Barrウイルスがそれであり、キスによってしばしば広がることからそう呼ばれている。 このEpstein-Barrウイルスは、感染した人に、がんを含むさまざまな病気を起こすことがあるという。 【※本記事は、宮坂昌之・定岡知彦『ウイルスはそこにいる』(4月18日発売)から抜粋・編集したものです。】 ほとんどの人が成人までに感染するウイルス Epstein-Barrウイルス(以下、EBウイルス)はDNAウイルスの一種である。エプスタイン(Epstein)とバー(Barr)という2人の科学者により発見されたことが名前の由来である。 このウイルスは、二本鎖DNAウイルスのヘルペスウイルス科に属し、ヒトヘルペスウイルス4(Human herpesvirus 4、HHV-4)ともよばれる。唾液を介して感染し、ほとんどの人が成人までに