高度経済成長時代は道路の邪魔者扱いされ、次々と廃止されていった路面電車が、最近逆に少しずつ距離を伸ばしている。その内容を見ると、3つに分けられる。 ひとつは廃止が議論されていたローカル線を路面電車化したもの。富山市を走る富山ライトレールが有名だ。2つめはJRのターミナル駅の手前で止まっていた線路を駅まで伸ばしたもの。今年は同じ北陸地方の福井駅で実現している。 そしてもうひとつ、ループ化がある。今までC字型だった路線をつないで、JR山手線のように環状運転を実現したものだ。こちらも富山市で2009年に実施されているけれど、昨年12月には札幌市電でも、これまで終点だった西4丁目とすすきの停留場の間約400mが結ばれた。 その効果は予想以上。開業後1か月間の1日平均乗客数は、平日が前年同期比10%増、年末年始の休みを含めた土日祝日が同16%増という数字を記録したのだ。具体的な人数では約2700人増