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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (2)

  • なぜ女は忘れるのか『フィクションの中の記憶喪失』

    『凪のあすから』後半は、熱い涙が止まらない。 ベタな展開が見えているのに滂沱を禁じ得ない。「好きを取り戻したい」」と「好きになっちゃいけない」、そして「この気持ちは誰のもの?」が交錯し、打ちのめされたり裂かれたり。ラスト3話はタオル用意して正解、今まで体感してきた「切ない気持ち」が、完全に上書きされた。そのテーマがこれだ。 もし、「人を好きになる気持ち」を奪われたら、その女の子は別人になるのか。 もちろん、過去のことは覚えているから、いわゆる記憶喪失ではない。ただし、「人を好きになる気持ち」に結びつく言動を思い出そうとすると、霞んでしまう。一種のマインドコントロールといっていい。この描き分けが凄い。(洗脳の典型である)瞳の色だけでなく、「人を好きになる」方へ向かいそうになると、微妙なしぐさで「らしくなさ」が表れる。まるで別人のように。『凪のあすから』は、フィクションではお約束としての「記憶

    なぜ女は忘れるのか『フィクションの中の記憶喪失』
  • このハヤカワがスゴい!

    オススメをもちよって、まったり熱く語り合うスゴオフ、今度は「ハヤカワ」だ。 つまり、早川書房が肴だ。SF、NV、JA、HM、NF、FT、epi、演劇、もちろんハードカバーやミステリマガジンもOKだ。それではと、ハヤカワ・マイベストを選ぼうにも……これがすっごく難しい。「この新潮文庫がスゴい!」と同じで、素晴らしいがありすぎるのだ。 「ハヤカワといえばSFだろ常識的に考えて」、「ハヤカワといえばミステリの王、いや女王」という意見がある。全面的に賛成……なのだが、わたしの傾向では、NV(ノヴェル)やNF(ノンフィクション)を好んで読む。シリーズ丸ごと推したいのがハヤカワepi文庫。epiとは、"epicentre"の略で、「震源」のこと。海外小説の素晴らしさを伝える発信源たる思いが込められているという(こっそり「よりぬきハヤカワさん」と呼んでいる)。スゴが、傑作が、徹夜小説があまりに多

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