情報の「公開」と「非公開」の間 インターネットなどのテクノロジーの発展が社会にもたらしたものの一つは、情報の「透明性」への期待だろう。 ここで私は「期待」という言葉を使いたい。なぜならあらゆる場面で、すべてを透明化する必要はない、と思うからだ。その上、情報を公開して“ガラス張り”にすることがあまり望ましいことではない場合もある。 とはいえ、確かにネット社会では透明性への期待が高まっている。例えば、内部告発情報を開示する「ウィキリークス(WikiLeaks)」のような突出した存在のウェブサイトだけではなく、すべての人が大量の情報を入手でき、それについてオープンに意見を述べることができる多種多様のフォーラムが現在、ネット上には存在する。 この透明性への要求の高まりは、企業内で社員が最も苦手とする部署である「人事部」にも波及している。人材管理部門は真の意味で透明な存在であるために、今、大きな壁に