日本政府は日本のポップカルチャーの発展に産業政策的貢献は一切していない。むしろ、クールジャパン政策は、そういう中で自生的に生まれたポップカルチャーを一つの鳥羽口として日本の産業構造を改善してもらおう、日本ブランドを作っていただこうという、いわばポップカルチャーの胸を借りる話である。その文脈で日本政府がポップカルチャーを政府として好ましいものにしてしまおう、鋳型にはめてしまおうとするのであれば、それは不遜の極みというしかない。
政府・知財本部では、今期政策の審議が大詰めを迎えている。私がコンテンツ専門調査会の会長を務めるようになった4年前から、いわゆるクールジャパンは知財政策の柱となっている。マンガ、アニメ、ゲームに代表される現代流行文化=ポップカルチャーを核としつつ、ファッション、食、伝統工芸、観光など経済・文化全般にわたるソフトパワーを発揮する。特に海外市場を取り込むことがミッションだ。 しかし、取組は十分ではなかった。海外から評価されているポジションを日本は活かせていない。経済的にはコンテンツは成長産業どころか縮小傾向にあり、アニメの制作現場の悲惨さは笑えないギャグネタだ。政治的にも活用できていない。海外の若い世代にとって日本はソニーやトヨタよりもピカチュウやドラえもんだが、そのソフトパワーを外交に活かせてはいない。 クールジャパンは10年前にダグラス・マッグレイ氏が記した論文「Japan’s Gross
一昔前ですと「日の丸半導体」とか、最近だと「クールジャパン」とか、現場から遠い人たちに限って妙な膨張主義を掲げるケースがあって、いま必要なことは知財の防衛だったり制作ノウハウの流出防止だったり国内業務環境が劣悪すぎることへの対策だったりするはずが、なぜかお役人がファンド作ってハリウッドに出て逝こうとか、お前の画餅と国策をごっちゃにするなと言いたい話がたくさんあるのです。 世界に出て行けと人は言う http://blogs.bizmakoto.jp/fukuyuki/entry/4126.html コンテンツ業界が世界に出て逝かなければならない理由はただひとつ、国内需要が頭打ちで成長しようと思えば海外市場を狙わなければ株主に怒られるので、国内の優れた作品やサービスを海外でも使えるようにしていこうというのは別に悪いことじゃないです。 ただ、リソースが分断されて国内ユーザーからすると不便を感じる
アニメ、マンガなどの収集・展示施設「国立メディア芸術総合センター」についての賛否を報道しているのだけど、なんかいろいろと首を傾げるとこが多い。 僕も詳しく調べたわけでもないし、このテの政策物件は苦手分野なので、素人の疑問かもしれないけど、まず「メディア芸術」ってアニメ、マンガのことなの? ざっと見ただけだが、文化庁のサイト「メディア芸術の国際的な拠点の整備について」によると、〈映画、マンガ、アニメーション、CGアート、ゲームや電子機器等を利用した新しい分野の芸術の総称〉だとある。この場合、マンガという出版メディアも「新しい分野」なんだろうか。一体どういうくくり方なんだろうという疑問もあるし、読んでも何を目的にして何がしたいのか、よくわからない。それにしても、報道が「アニメ、マンガ」で一くくりにしちゃってるのは、正確じゃないんじゃないのかね。 http://www.bunka.go.jp/o
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