独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」はデカいということは前回も書いたが、もう一度しつこく書きたくなるデカさである。全長210メートルで幅38メートル。松本零士デザインの宇宙戦艦ヤマトは全長265.8メートルで幅34.6メートルだからいい勝負だ。 そしてちきゅうは、波動砲を持たない代わりに、海面から121メートルにもなる高さのやぐらを備えている。このやぐらがあるから、清水港に停泊中のちきゅうは静岡駅よりちょい東で東海道新幹線の車窓からも視認できるのだが、なぜこんなに高いやぐらが必要なのだろうか。 それは、海底に深く穴を掘るためである。深く掘るには、ちきゅうからドリル付きの長いパイプを下ろす必要がある。そのパイプを吊り下げるのが、やぐらなのである。 深く掘るための工夫 パイプを吊り下げて海底に穴を掘る。そこには安全に安全を期した繰り返しがある。まず、ここを