「のぞみ号」は全席指定席で運行します――。駅などでそんな告知が繰り返し流された、この年末年始。2023年12月28日~24年1月4日の東海道新幹線のぞみ号の輸送量(小田原~静岡間を通過した乗客数)は前年度比107%、18年度比でも103%と、新型コロナウイルス禍前の水準を上回った。しかし、自由席がなくなったことで、通路やデッキに多数の客が立って発車していく光景は過去のものとなった。 ところが実は、1月2日から突如、全席自由席ののぞみ号が運行された。その日の午後5時47分ごろ、羽田空港で日本航空(JAL)機と海上保安庁機の衝突・炎上事故が発生したからだ。 JR東海新幹線鉄道事業本部運輸営業部の松本直也・輸送課長によると、同社が羽田空港での事故を把握したのは、テレビのニュース速報などで報じられた午後6時前後。その1時間半後の午後7時半ごろに臨時列車の運行を決定。東京~新大阪間ののぞみ号最終列車