中国の現代文学をけん引した女流作家、謝冰心(1900~99年)が、22歳で執筆した詩集「春水」の直筆の完全原稿が、九州大付属図書館で見つかったと、同大の中里見敬教授らの研究グループが19日、発表した。 冰心の初期の直筆原稿は中国でも発見されておらず、極めて珍しいという。 冰心は、それまでの漢詩と異なる平易な口語で詩作を行い、小説や児童文学などでも幅広い作品を残した。中国では「文壇の祖母」と呼ばれ、戦後の一時期、日本に滞在したこともある。 原稿は縦17センチ、横13センチの冊子の形で、本文115ページに182編の詩を冰心が毛筆で記してある。作家魯迅の弟で、春水を編集した随筆家周作人と親交のあった故・浜一衛九大名誉教授が譲り受けたという。 昨年11月、中国で公開された周の日記に、浜名誉教授に贈ったことを示す記述があり、浜名誉教授が図書館に寄贈した蔵書を再調査して見つけた。中里見教授は「