新聞や雑誌の記者経験がない「野良系ジャーナリスト」が2023年、報道関連の賞を総なめした。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を約20年間にわたって取材する鈴木エイト氏は、2022年7月12日、記者会見場でこう言った。 「9年近く、ずっと安倍晋三氏と統一教会の関係について証拠を集めてきた。しかし、テレビでは『容疑者の思い込みだ』などと大したことではないように報じられることを危惧している。端的に言って、俺を出演させろってことです」 安倍氏の銃撃事件から4日後のこと。一般には名の知れていないフリージャーナリストが繰り出した強気の発言に、会場からは笑いが漏れた。しかし、イベントへの参加や信者の選挙協力など関係が深い政治家が次々と明らかになるにつれ、毎日のようにエイト氏はテレビ・新聞に引っ張りだことなる。 それは、その情報を彼ただ一人しか持っていなかったからだ。自前で取材してこなかったメディアは