今、東京大学で歴史を専門に学び、研究できる学科は、「日本史学科」、「東洋史学科」、「西洋史学科」の3つです。そのほかの多くの大学でも、歴史学はこの3つの区分に分けられています。 しかし、高校で教えられる歴史は、「日本史」と「世界史」の2つです。東洋と西洋では分けられていません。 自国の歴史を学ぶ分野として日本史が独立して存在するのは理解できますが、わざわざ東洋と西洋を区分するのにそれほど合理的な理由はないように思います。 一体どうして、「東洋」と「西洋」の歴史が区別されているのでしょうか? 私たちの「歴史」に対するイメージを形作っている「近代歴史学」の流れを辿りながら、歴史のあり方の再考を促す講義動画を紹介します。 停滞している非ヨーロッパには歴史がないという近代歴史学の考え 今回講師を務めるのは、歴史学者の羽田正先生。世界史の再構築を研究テーマに掲げておられる先生です。 羽田先生によると