出版大手の小学館は創業90年を迎える8日、電子書籍事業の強化に乗り出す。電子書籍端末「コボタッチ」を全役員と全社員計777人に配布。紙の本を中心にした発想にとらわれがちな社員たちに、デジタル時代に適した新しい出版の形を考えるよう意識改革を促す。 今秋以降に「新編日本古典文学全集」(88巻)など本格的な古典・教養の本の電子版を刊行することも決めた。学際的に日本人の精神文化の全体像に迫った「日本民俗文化大系」(15巻)、海外の名著などを集めた「地球人ライブラリー」なども電子化。文字拡大機能など電子書籍の特性を通じて、中高年層を中心に高まる「学び直し」のニーズに応える。 また、今月10日からは、新進作家に電子書籍のためだけに妖怪などをテーマにした小説を書き下ろしてもらう「九十九神曼荼羅(つくもがみまんだら)シリーズ」も月5点ずつ刊行。若手美術家らのイラストをつけ、1点105円とし、若者が購入