今から25年ほど前になるでしょうか。青山円形劇場は、憧れの劇場でした。 円形の舞台の周りをぐるりと客席が取り囲むという、ほかにはない構造が特色の劇場です。 当時、円形劇場では青山演劇フェスティバル、通称演フェスと呼ばれていた、小劇場のフェスティバルが毎年開催されていて、遊◎機械/全自動シアターなど、ここに参加した劇団は注目され一気に動員を増やすことが多く、若手の登竜門といった趣がありました。 「新感線もはやく演フェスに呼ばれるようになりたいね」と、いのうえひでのり達と話していたものです。 大阪の小劇団だった新感線が東京進出して一年ほどして、演フェスに声がかかった時は本当に嬉しくて、「鉄鋲打ってゴリゴリのヘビメタの衣装着た連中がローラースケートでグルグル舞台を回るんだ」「巨大な龍戦車も出そうぜ」と、気持ち的には代々木体育館進出のようなイメージで挑んだものです。 演目は『スサノオ 神の剣の物語