気をつけるべきは党内のバランスより足下の造反!「逆転勝利」で返り咲いた安倍新総裁は自民党を「改革政党」に変えられるか 新しい自民党総裁に安倍晋三元首相が決まった。2007年8月に首相・総裁を辞任してから、5年ぶりの再登板だ。安倍の行く手に待ち受けるものは、なにか---。 解散を先送りせざえるをえない野田首相 まず秋の衆院解散・総選挙は先週と先々週のコラムで書いてきたとおり、安倍総裁が誕生しようとしまいと、野田佳彦首相は先送り姿勢だ。そこへ安倍である。安倍はかねてから民主党政権に批判的だった。今回の各候補の中では、もっとも先鋭的といっていい。 背景には憲法や教育、外交防衛安保政策をめぐる保守思想があるが、当面の消費税引き上げ問題でも、実は批判的だった。総裁選でこそ民主、自民、公明の3党合意を守る姿勢を示していたが、増税はあくまで「経済情勢が好転すれば」という条件付きである。裏を返せば、いまの