「これまで鑑定してきた偽造品の中で最高峰のもの」。高級ブランドの鑑定士も思わず唸(うな)ったという。高級腕時計の偽物を販売していたとして、大阪府警が大阪市東淀川区大道南の貴金属販売業、大石貴史被告(38)=公判中=を逮捕した商標法違反事件。大石被告が販売していた偽高級時計の数々は見た目は本物と寸分違わず、外見だけでは真贋(しんがん)鑑定が極めて困難で、業界で「スーパーコピー」と呼ばれる精巧な偽造品だった。中国で仕入れた偽物を「一見さんお断り」の店で販売し、客には「偽物だから質屋には入れないで」と念押ししていた大石被告。その腕には、新品なら200万円はするという本物の高級時計が光っていた。まるでショールーム ガラスケースに並んでいたのはフランク・ミュラー、オーデマピゲ、ウブロ、パネライといった時計コレクターなら誰もが知っている海外ブランドの高級腕時計ばかり。中には、市場価格が1500万円のリ