野田佳彦首相が7日、閣僚を含め初めて訪れた東京電力福島第1原発1、2号機の中央制御室。周囲にはコンクリート片が転がり、配線もむき出しのままで事故の爪痕はいまだ生々しい。津波による全電源喪失で暗闇に包まれ、恐怖心に襲われながら原子炉内の水位を書き留めようとした作業員の「闘いの記録」を目の当たりにした。 「照明消してください」 東電職員の指示で東日本大震災発生直後の中央制御室が再現された。蛍光灯が消されると一瞬にして真っ暗闇になった。メモを取っていた紙も見えない。「ビーン」。壁沿いに並ぶ計器類の音が不気味に響く。 原子炉や燃料プールの冷却機能が失われ、発生直後の制御室では通常の約千倍の放射線量が測定された。それでも約20人の作業員がカンパンと水だけで必死の復旧作業を続けた。 「16:40 マイナス90センチ」「16:50 マイナス120センチ」「16:55 マイナス130センチ」 1号機の原子