iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究の到達目標時期などを設定した文部科学省の工程表の改定素案が1日、明らかになった。立体的な臓器の作製技術を10年以内に確立することを新たな目標に掲げたほか、臨床研究の開始時期を赤血球で2年前倒しする。再生医療の実現に向け、研究の急速な進展を反映させたものとなりそうだ。◇ 2日に開かれる同省科学技術・学術審議会の作業部会に提出し、有識者の審議を経て正式決定する。 素案によると、肺や腎臓、大脳などを対象に、移植のための立体的な臓器を作製する技術を新たな研究項目に加え、平成33年末までの確立を目指す。 細胞や組織レベルではなく、器官の機能再建を視野に入れたもので、立体的な形状や大きさ、内部の血管形成などを制御しながら臓器を構築する技術開発を目指す。ただ、作製した臓器の移植には安全性の確保などさらに多くの課題を克服する必要がある。