(2)から続く 研究者の話はとかく退屈で、面白くない。これは世の常である。 しかし、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授(49)は違う。大阪出身だからというわけではないが、講演で必ず一度は笑いを取るなど研究者ということを思わず忘れてしまうほど親しみやすい。難解な研究内容を分かりやすい言葉で語りかけ、聴衆を説得し、共感させる。 ただ、次の言葉を口にするときだけは研究所のトップの表情に戻る。 「知的財産に精通した人材が足りない」 人工多能性幹細胞(iPS細胞)について、京大は国内外で90件以上の特許を出願中。今後は製薬会社などと連携を図る上で、これらの特許を生かすための知財戦略が重要となる。 日本のお家芸だった家電製品は、今や韓国勢が席巻している。米ディスプレイサーチによると、2011年の世界の薄型テレビの売り上げシェアはシャープ、ソニー、パナソニックの3社が束になっても、韓国のサムスン