4年に1度の夏季オリンピック大会が行われている。1人勝者が出れば、より多くの敗者が生まれる。こればかりは勝負だから致し方ない。だからこそ、日本選手のメダルラッシュは本当にうれしい。スポーツの国際大会は国民の大半が愛国者となる貴重な機会でもある。 ただ最近のテレビニュースは感心しない。トップはメダリストの話ばかり。質問も判で押したような「メダルを取ったご感想?」。 「うれしい」「悔しい」、いずれかに決まっている。オリンピックだけがニュースではないだろう。世界ではより重要な事件が連日起きているのに。特に最近筆者が気になるのは3つ。ユーロ圏、シリア、中国で起きている政治、軍事、経済の混乱だ。一見独立した無関係の事象に思えるが、実はそれぞれが密接にかかわり合う。日本を含む東アジアの安全保障に直接、間接影響を及ぼす可能性も十分ある。 まずはシリア。最近のアサド大統領側近の爆死や亡命事件を見ていると、