沖縄県・尖閣諸島に香港の活動家がいとも簡単に上陸したことで、民間人を偽装した海上民兵らによる「尖閣占領シナリオ」の危惧が現実味を帯びてきた。海上保安庁は上陸を許したことについて「強硬手段を用いない」との政府方針を明かしたが、仮に武装公船が抗議船メンバーの援護に駆けつけていれば、対応できなかった可能性がある。 日本政府内では、中国は秋の共産党大会での指導者交代までは対外的な高圧姿勢は控えるとの見方が大勢だった。だが、7月には漁業監視船が初めて3隻で領海侵犯するなどむしろ挑発をエスカレートさせていた。香港の衛星テレビによると今回、活動家らは尖閣に中国国旗まで立てた。 直接的な引き金は東京都や政府による尖閣購入計画とみられる。日本側が尖閣の実効統治を強めようとした直後、中国側は威嚇で切り返してきたとの構図だ。 日本政府が今回最も懸念を強めていたのは、中国政府が抗議船の行動を黙認していたことだ。政