【ニューヨーク=松浦肇】米クリントン政権で大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長を務め、ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ・米コロンビア大教授が産経新聞のインタビューに応じた。スティグリッツ教授は、米国の経済成長を阻害する所得格差を是正するため、富裕層や税の抜け穴を利用している企業への課税強化策を支持する見解を表明。長期の景気低迷に悩む日本経済への処方箋として、円安政策が有効だと強調した。 スティグリッツ教授との一問一答は以下の通り。 ◇ --ある程度の格差があった方が人は努力する 「完全に平等だったら努力する動機を失う。だが、米国社会は、成長が最大化する最適の水準からかけ離れた格差が生まれている。これではアメリカンドリームが失われてしまう。金持ちの上位1%が所得の20%を占めるなど、社会として許容できない水準になった。データを見ると、先進国で米国が最も格差の高い、機会の