中国各地で反日デモが続く影響で、旅行業界で観光やビジネスに伴う渡航でキャンセルの動きが広がっている。 JTBでは、中国向けのパッケージツアー(募集型企画旅行)で取り消し料がかかってもキャンセルするケースが出始めており、同社は「反日デモの影響では」とみる。近畿日本ツーリストでも、中国への修学旅行を計画していた一部の高校で、訪問先の変更があった。 このほか、別の大手旅行会社は18日、上海の市内観光の日程を中止し、別ルートや追加プランを紹介するなどの対応をとった。同社は「前回の漁船衝突事件と違い、デモの収束の動きが見えず、判断が難しい」と頭を抱える。 一方、全日本空輸によると、9~11月の予約分で、訪日中国人の団体客のキャンセルが約1万5千席あり、これは中国に向かう日本人団体客の約4倍に相当する。ある旅行会社は「9月末の日中国交正常化40周年を控え、これ以上悪化してほしくない」と気をもんでいる。