なぜか日本の反体制・反権力のひとらはこぞって緊縮大好き、デフレ礼讃、経済成長大嫌い…だった。たぶん1970年代くらいにできた枠組みを更新できなかったせいだろうけど、結果、氷河期世代をいまでも痛めつけている。
日本政治に左派ポピュリズム政党が誕生した。7月21日の参院選は日本においても、欧州で吹き荒れるポピュリズムの風が吹くという結果になった。山本太郎、「れいわ新選組」である。比例での得票率は4・6%に達し、既成野党への不満の受け皿となり、政党要件を満たした。大事な点は彼らの主張は、欧米の左派ポピュリズムそのものということだ。 れいわの衝撃 7月4日の新宿駅西口地下から、「旋風」が起きそうな予感は漂っていた。ニューズウィーク日本版の取材で訪れた私は、予想以上の熱量だったとメモを取っている。山本太郎は参加者の前で声を張り上げる。 「いまの政治はみなさんへの裏切りだ。20年以上続くデフレ、異常ですよ。物価が下がり続け、消費が失われ、投資が失われ、需要が失われ続け、国が衰退している。デフレを続けてきたのは自民党の経済政策の誤りの連続でしょ」 「生活が苦しいのは、あなたのせいにされていませんか?努力が足
安倍首相は、消費税率を来年10月1日に現行の8%から10%へ予定通り引き上げる方針を固めた。社会保障制度を全世代型に転換する財源を確保するため、増税は不可避だと判断した。15日の臨時閣議で表明し、増税の影響を和らげる対策の検討を指示する。中小小売店での商品購入時にクレジットカードなどを使った消費者に対し、購入額の2%分をポイントで還元する案などが柱となる。 政府は15日に臨時閣議を開き、2018年度第1次補正予算案を決定する。首相はこの席上、増税を実施する決意を示すとともに、具体的な増税対策について指示する方向だ。増税の最終判断時期を探っていた首相は、自身の経済政策「アベノミクス」の成果でデフレ脱却を実現しつつあり、様々な増税対策を総動員すれば個人消費の落ち込みは抑制できると判断した。
来年10月に消費税率の10%への引き上げが予定されていることについて、安倍総理大臣は、消費の落ち込みで経済が腰折れすることがないよう思い切った財政出動を行う考えを示しました。 これに対し、安倍総理大臣は「増税時の駆け込み需要と反動減の対策として、2019年、2020年と相当思い切った財政出動をする。ここで失敗すると、10年くらい立ち直れず、デフレからの脱却ができないことになるので、ここはしっかりとやっていきたい」と応じました。 一方、自民党が、財政健全化をめぐり、2025年度までの間に歳出・歳入両面で聖域なき改革を行い、基礎的財政収支の黒字化を達成すべきだなどと提言したのに対し、安倍総理大臣は「重く受け止める。骨太の方針に盛り込むべく努力する」と述べました。
浜田 私はどちらかというと、理論経済学の角度から証券市場を見てきました。ですから現場に詳しいエコノミストの安達さんに、実際の投資の世界について伺いたいと思います。 まずお聞きしたいのは、アベノミクスの第1の矢(金融緩和政策)によって株価が上がり、円安も起こり、有効求人倍率と完全失業率が改善し続けている状況において、なぜ市場関係者のなかには、いまだアベノミクスの効果を否定したがる人がいるのかについてです。 安達 日本では長らく円高が続き、デフレが進行していましたが、それに伴って債券(国債)利回りがどんどん低下してきました。債券利回りが低下するということは、債券の価格が上昇することを意味します。円高とデフレの進行が長期間続く限り、債券を購入すれば将来の価格が上昇するのは確実なので、市場として儲けやすかったということが、まず指摘できます。 債券の取引で生計を立てている債券市場関係者は、円高になれ
今回の衆議院選挙では安倍首相はアベノミクスとともに、消費税増税の延期を掲げ、「景気回復、この道しかない」と選挙で訴え圧勝しました。 しかし、シェイブテイルとしては前回衆議院選挙のような「これで日本もデフレから脱却できる!」という高揚感がありません。それはこのままでは日本経済は浮揚するどころか沈没しかねないという懸念が拭えないからです。 はっきり言って、日本経済の最大の問題は、政府債務問題ではありません。 実はあなたの収入が増えないことこそ最大の問題なのです。 今回の衆議院選挙で与党は2/3を超える議席を獲得する圧勝でした。 安倍首相は来年10月の消費税増税こそ延期しましたが、2017年4月には景気条項を外して実施すると約束しています。首相のこの方針は正しい方向なのでしょうか。 ■政府債務と名目GDPの相関 早速ですが図表1を御覧ください。これは名目GDPと政府債務の経時的な変化を国際比較し
Photo by Joe Jones(CC BY 2.0) 自民党は圧勝する 第47回衆議院議員総選挙は、自民党が圧勝するだろう。 改選前の衆議院は定員480議席。与党は、自民党295議席と公明党31議席を加えて326議席。過半数ラインは241議席。この圧倒的多数は、衆議院の3分の2の320議席も越えていたので、「衆議院の優越」によって思い通りの立法が可能だった。 今回の衆議院選挙では「0増5減」で定員が475議席となり、3分の2は317議席になる。趨勢が前回と大筋で変わらないとすると、2つの攻防がある。 (1)与党が「衆議院の優越」の3分の2である317議席を維持できるか (2)自民党単独でその317議席が獲得できるか 私は、自民党単独で「衆議院の優越」を得るだろうと見ている。そうなると、自民党の歯止めとなっていた公明党の意義も失われる。公明党の「生活必需品には軽減税率を」という主張も自
「アベノミクス」の図解としてこんなのが出回っていますが、違いますよ、という話。 アベノミクスで株価も上がってるし大企業の業績も回復しているのに庶民が景気が良いと感じないのは何故なのか、わかりやすく図にしてみました。 pic.twitter.com/BtYW2JG2FU— カレーの鬼 (@Oni_Curry) 2014, 11月 12 これ、元ネタの図は Trickle down economics (トリクルダウン理論)の説明です。 https://www.facebook.com/414021102034635/photos/a.426000677503344.1073741826.414021102034635/506285782808166/ しかし少なくとも、いわゆる「アベノミクス第一の矢」であるリフレ政策は、トリクルダウン理論ではないですよ、という話をします。 トリクルダウン理論
来週は、日本の経済政策の成功を追い求めている者たちにとって、極めて重大な週となる。新しい金融政策が発表されることになっているが、これが、日本の安倍晋三首相の掲げる、「アベノミクス」と呼ばれる政策に対する最新の成績表となるからだ。 アベノミクスは2012年、安倍が政権に就いてから数週間後に、ほぼ20年にわたる日本の経済停滞を打破するための根本的な解決策として打ち出された。政策は、金融緩和、構造改革、および新たな財政刺激策、の3つの柱からなる。アベノミクスの最も重要な目標の1つは、インフレを促進し、そして最終的にインフレ予想を変え、10年のデフレから脱却することである。そのため政府は円の大量印刷を開始した。 当初は効果があったように見えたが… 最初の頃は、為替レート、資産価格、インフレ率に成功の兆しが見られた。実際、2014年7月の消費者物価指数(CPI)では、年間インフレ率が3.4%と今の日
消費税増税が8%に増税されてから、もう6ヶ月が過ぎました。景気は低迷を続けていて、もはや消費税増税によるものは明らかと言って良いでしょう。 政府や財務省、そしてそれに近いマスコミやエコノミストは、この不景気が天候によるものだとか、駆け込み消費の反動だとか言ってますが、どちらも影響が6ヶ月も続くはずはありません。消費税増税のために景気が落ち込んだことを誤魔化して、今年末に行われる予定の消費税の10%への増税を実現させようとする小賢しい小細工なのは間違いありません。 この消費税増税の影響について、エコノミストの片岡剛士氏が雑誌『Voice』11月号に「“アベノミクス・マーク?”のすすめ」というタイトルで記事を書いています。まだネットでは公開されていない記事ですが、経済学者の田中秀臣氏が簡潔にまとめていたので、紹介します。 片岡剛士さんの消費増税の影響の検証と今後の日本経済の見通し、そして対策を
9/30に公表された8月の経済指標の結果は、経済運営の担当者にとって、血の気が引くような内容だったろう。同じ日、安倍首相は、「経済の好循環が生まれ始めている」と国会で答弁していたが、起ころうとしているのは、デフレへのスパイラルだ。一気の消費増税は、成長をなぎ倒し、惨敗にアベノミクスを引きずり込んだ。もはや、日本経済は、マイナス成長への転落が避けがたい情勢となった。 ……… まず、8月の家計調査から見ていこう。二人以上世帯の季節調整済の実質指数は、前月比-0.3の93.4となり、反動減からの回復どころか、2か月連続しての低下である。2013年度平均の100.4からは7ポイントもの差がつき、昨年水準をいつになったら取り戻せるのか、見当もつかないほどだ。 その結果、家計調査の7,8月の平均は、増税と反動減で落ち込んだ4-6月期を更に-0.4下回るという、惨憺たる有り様である。財政当局は、低迷を「
日本の消費増税に米国からノーが突き付けられた。4月以降の成長鈍化について、ルー米財務長官が「期待外れとなった」と表明したのだ。増税推進派は「消費増税は国際公約」というのだが、再増税を強行すれば世界に迷惑をかけることになりかねない。 ルー財務長官は21日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後の記者会見で、日本とユーロ圏を名指しして、最近の成長鈍化を指摘した。日本については、消費税率を4月に8%に引き上げて以降、個人消費と投資が落ち込んでおり、「経済活動の縮小による困難に直面している」と懸念を示した。 G20初日の世界経済についての討議で、麻生太郎財務相は、議長に求められる形で、日本経済の現状や成長戦略などを説明。麻生財務相は「日本に対する期待の高さを実感した」と胸を張る一方、「日本経済は緩やかな回復が続いている」と各国の懸念解消に躍起だった。 アベノミクスで長年のデフレか
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