法人税の一部を政策的に減税する「租税特別措置」(租特)で、資本金100億円超の巨大企業が受けた減税額の総額が第2次安倍政権発足以来、少なくとも3兆8000億円に上ったことが分かった。全体の6割を超える。財務省資料から本紙が集計した。専門家は「巨大企業ほど優遇されており、企業間の不公平感を招いた」と指摘。安倍政権の継承を掲げる菅義偉(すがよしひで)氏による次期政権でも、巨大企業への優遇姿勢が続く懸念がある。(大島宏一郎)
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する公文書改ざんなどを巡り、舞台となった財務省近畿財務局OBが本紙の取材に応じ、あらためて真相解明を訴えた。問題を巡っては、大阪第一検察審査会は三月に佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官らの「不起訴不当」を議決。大阪地検が再捜査している。国有地の大幅値引きや改ざんに首相周辺や政治家らの関与や忖度(そんたく)があった疑念は解消されていない。 (望月衣塑子) このOBは、近畿財務局で国有財産の管理処分を担う管財部に長年在籍した喜多徹信さん(70)と田中朋芳さん(63)。財務省の指示で改ざんを強要されたという趣旨の遺書を残して昨年三月に命を絶った近畿財務局の男性職員=当時(54)=とは旧知の仲だった。
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