筆者はこれまで中国、東南アジア、ロシアなど様々な新興市場の熱狂を目撃してきた。そのような中で、ここ数年、注目してきた地域が南アメリカ、とりわけブラジルである。 ブラジルは851.2万平方キロメートルという南米大陸の半分程を占め、人口も1億9840万人と世界的にみても中国、インド、米国、インドネシアに続き第5位(※1)、GDPもイタリアやカナダの間である第9位(※2)と領土、人口、経済力と全方面において、南米最大の国家だ。 一方、ゲームビジネスについては、筆者も「ファミ通ゲーム白書」で定期的にフィーチャーしてきた。同国は、新型コロナ禍前に開催されたBrazil Game Showには30万人もの参加者に恵まれ、ゲーム関連ベントとしては世界最大規模を誇る。さらにeスポーツ関連においても、2020年、eスポーツ賞金獲得額がアメリカ、中国、韓国、フランスに続き5位を獲得するなど(※3)その存在感を