「オルタナティブ」「ミクスチャー」「アブストラクト」などの言葉を「ジャンル」として認めたときから、音楽の世界では既にすべてのジャンルが相対化されていた。もっと前、その前から、DJではない、単なるリスナーが、そしてミュージシャンが、レコード箱を漁って音楽のシーケンシャルな進化を退けたときから、そうなっていた。「レア」とか「グルーヴ」という言葉で価値は順位づけられていたが、「オルタナティブ」や「ミクスチャー」以降の世界では、それすら意味を持たなくなった。サブカルチャーの分野では、おそらく、音楽には最も速く、早く、すべては相対化された。ファッションは、長きにわたって音楽の動きを観察し、それをモードとして採り入れ続けたが、やがてそれがすべてが等価になるということを意味するのだということがはっきりする頃から、それをやめたのだ。 相対性理論がなぜよいのか、ということについてずっと考えている。相対性理論
テクノウチ氏による独断と偏見まみれの自費出版文庫本、全333ページ超の読む音楽出来ちゃったらしいです。本なのに同人音楽イベントM3で発売らしいです。同じ日の文学フリマにも出した方が良いのに。 これは冷静に考えると無謀な企画ですね。出版不況な時期に音楽同人業界で文庫本を出すってのが相当クレイジーで、それに加えて「読む音楽」と音楽を全てに収めるタイトルの書き方をしているのも凄い。それに何より僕に文章を書かせちゃったのが狂ってる。 「ナードコア - J-CORE 試論の試論」というタイトルで16ページぐらい書かせてもらいました。はじめはDJ、インターネット、ニコニコの話とナードコアの話両方を書こうと意気込んでいたのですが、ちゃんと文字を書く事への発狂に次ぐ発狂の末ナードコア話しか書けなかった。タイトル一覧を見ると他の人も「J-CORE」について書いてるので、ああニッチ産業なのに被ってるじゃんこん
Perfume「GAME」は素晴らしいアルバムだと思う。これをCDトレイに載せるときに、僕の手は震えた。心臓が早鐘のように鳴った。ずっとずっと前から、彼女たちがどうやったら、彼女たちの望む場所に行くことができるのだろうかと僕は考えていた。それについてはもう何度もここに書いたし、ほかのところでも書いた。「安全なアキバ系」として一定のキャラクター性を与えられれば彼女たちは勝ちなのだという考え方は間違っているとも書いた。だからといって、彼女たちを単にいわゆるアイドルとしても、いわゆるアーティストとしても見ることは間違いだとも思った。だからこそ、Perfumeは難しい存在だったのだ。だから7年間の下積みを経たアイドルが、ついにオリコンでアルバムが1位になって、武道館でライブをやって、ゴールしたね、Perfumeってそういう「いい話」を楽しむグループなんだね、というふうに消費されるのも、やっぱりイヤ
昨日はついカッとなって書いた。買えればどこでもよかった。後悔はしてない。 で、結局のところ数十キロ先にある隣の隣の町のCDショップまで行って買ってきた。アメリカの片田舎じゃあるまいし……。Perfumeのニューアルバム「GAME」である。 熱狂的なファンなので冷静な批評なんてできないが、やっぱりすごいアルバムだと思う。とはいえ、それまでの特徴でもあった「あどけなさのあるチープなピコピコ電子音」というのがかなり後退し、ゴリゴリのハードさが前面に出ていてアダルティなクラブミュージックに仕上がっている。 表題曲の「GAME」はPerfumeの声を使ったcapsuleそのものの音楽のように思えた。(capsuleとは、プロデューサーである中田ヤスタカのユニット。現在はかなり攻撃的なエレクトロミュージックを志向)また同じく新曲「take me take me」も同じく中田ヤスタカの別ユニットであるコ
1.DJ Technorch / Boss On Parade DJ TECHNORCH 「BOSS ON PARADE」 出版社/メーカー: HARDCORE TECHNIQUE発売日: 2007/01/26メディア: CD-ROM クリック: 23回この商品を含むブログ (5件) を見る基本ジャンルはガバでありながらKraftwerkを崇拝する辺りからも分かるように、その構造は限りなくテクノであり、他のクラブミュージックの要素を貪欲に取り入れ、その製作はほぼ全てがオーディオサンプリングのみで行われMIDIというものを使っていないDTMの新人類。 そんな御託はどうでもよくて単純にセンスが突き抜けてる。今年一番聴いた。 2.Miles Davis / Relaxin' Relaxin With the Miles Davis Quintet (Reis) アーティスト: Miles Dav
もってけ!セーラーふく Re-Mix001 -7 burning Remixers- アーティスト: 平野綾,加藤英美里,福原香織,遠藤綾出版社/メーカー: ランティス発売日: 2007/08/08メディア: CD購入: 4人 クリック: 128回この商品を含むブログ (186件) を見るアマゾンからこの前届いた「らき☆すた」のもってけ!セーラーふくのリミックス集。もってけ!セーラーふくは買わなかったんだけどこれは買った。面白すぎる。こう来るかとココロでは思ってたけどやっぱりこう来るしかなかったんだろうね。 リミックスを担当しているのはeicheph、来兎、bassjack、柏森 進@MOSAIC.WAV、名無しさん、小池雅也@4-EVER。 eichephはサイトを見たところによると普段エレクトロニカ系の楽曲やDeath Tek Metalというデスメタルとテクノを融合させたかなりオモシ
最近はとにかく「イルリメ・ア・ゴーゴー」ばかり聴いている。これは短いが本当に素晴らしいアルバムだ。とにかくたくさんの人に聴いてほしくなる。「元気でやってるのかい?」を聴いてよい曲だと思う人はずいぶんいるだろうから、YouTubeにアップされているPVを見てたくさんの人がこのアルバムを買っていればいいと思った。本当はレコ発ライブにも行きたかったのだが、何か別のライブと重なっていていけなかったような気がする。 ポッドキャスト「イルベリ」でイルリメの新作がポジティブかつポップなものであることはある程度分かっていたが、ここまでのものを作るとは思っていなかった。カクバリズムのサイトに書いてあったように、本当に全曲パーティーチューンなのだ。アブストラクトな楽曲を評価されるヒップホップアーティストたちは、まれに単純に彼らが内省的な作品を作っているからという理由で評価されることがある。しかし内向きな作品だ
もともとは「昭和歌謡」「昭和ワルツ」的な音楽をもっと聴いてみたいと思ったのがきっかけ。同時にフレンチポップ的音楽も幅を広げたいなあ、と思っていろいろ人に訊いて回ってたところ、「EGO-WRAPPIN'」「椎名林檎」「カヒミ・カリィ」「ピチカート・ファイブ」と言う、さすがの僕でも聞いたことのある名前が並ぶ中、JPOPフリークO君が「UK君、小島麻由美はどう?」と。 そのあと、O君の家に行って一曲聞かせてもらった段階で「あ、これは借りるからもう聴かさないで!」とストップをかけるくらい、精神的にガツーンときてしまい(ちなみにその一曲とは「あの娘の彼」)、その後、ツタヤで2,3枚レンタルして聞いてみたところ、さらに背筋のゾクゾクするような曲が次から次へと繰り出されて、もうメロメロに。あまり美辞麗句を重ねるとうそ臭くなるけど、この人の音楽に関して言えば、いくら褒めても褒め足りないくらい。 「世の
萌えテクノとアキシブ系既に「真性テクノアイドル(グループ編)」で取り上げた、Perfumeですが、ニューアルバムも投下されるんで、今回はAll About Perfumeであります。YMOのメンバーに代表されるテクノポップ・アーティストが手がけた歌謡曲がテクノ歌謡であれば、フューチャーポップの旗手であるcapsuleの中田ヤスタカが手がけるPerfumeは、フューチャー歌謡と呼べそうです。残念ながら、Googleってみたところ、そんな呼び方誰もしていません。ですから、一応、「最初にフューチャー歌謡と言ったのは俺だ!」と宣言しておきます。 じゃ、なんて呼ばれているんでしょう? “萌えテクノ”と呼んでいる人が増えているようです。すると、Perfumeの3人は、萌えテクノ・アイドルとなるんですね。“萌え”=アキバ系というイメージがありますが、最近、“アキシブ系”という渋谷系(おしゃれサブカル)と
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