チョムスキー、言語について語る 英語帝国主義と少数言語の復活 (『チョムスキー21世紀の帝国アメリカを語る』明石書店、2004:170−173) Q:ご承知のように、クルド人の言語はトルコでは抑圧され、教育制度から排除されてきました。個人のアイデンティティと母語の関係は何なのでしょうか。一方の側では、グローバルな言語として広範囲に渡って英語の使用があります。もう一方の側では、グローバリゼーションの反対の流れとして地方の言語の復活があります。こういった文脈の中で、あなたはヨーロッパや他の地域での母語の復活をどのように評価されますか。 チョムスキー:フランコ体制下のスペインでは、地方の言語は抑圧されました。人びとはバスク語やカタロニア語や他の言語を話すことができませんでした。それらの言語はスペイン語ではなく、別個の言語です。バスク語はスペイン語とは何の関係もありません。ファシズムが打ち負かされ