鉄道ブームが一段と盛り上がってきた。電車に乗る「乗りテツ」、写真を撮って楽しむ「撮りテツ」、模型が好きな「模型テツ」−。趣味として鉄道を楽しむ昔からの愛好家が健在な一方で、老若男女を問わずに広がりを見せてきた。 【時間旅行】 鉄道博物館(さいたま市)は今年10月で開館2周年。来館者数は270万人を突破。見て触れる体験型テーマパークのような趣向が人気を呼び、平日でも来館者は2000人を超える盛況ぶりだ。 明治の鉄道黎明期の機関車も含めマニア垂ぜんの計36両の車両を展示。当時の駅も再現し、実際に乗車してノスタルジックな「時間旅行」が味わえる。埼玉県所沢市の桝沢英雄さん(60)は特急「とき」の座席に座り、新潟県から就職のために上京した四十数年前を思い返していた。 漆塗りの3等客車を眺めていたのは埼玉県越谷市の伊藤十一さん(74)。「座席や床が木製で懐かしい。孫より私が楽しんでます」と満足